2015年9月22日火曜日

登校に支援の必要な子どもと運動会

秋と言えば「運動会」のシーズンです。中学校は運動会を終えている学校も多いと思います。小学校は9月下旬や10月上旬に行われる学校が多いのかなと思います。春に行う学校も多くありますが。

登校に支援の必要な子どもにとって運動会または運動会の練習は、乗り越えるのがとても大変な行事です。一言で「乗り越える」と書きましたが、乗り越える内容(「練習の段階から開閉会式、ダンス、団体競技、徒競走に参加する」「練習には参加せずに当日のみ参加する」「参加できそうなものに参加する」「競技等には参加せずにテントの中で応援をする」「登校はするが保護者席で過ごす」等)は子どもによってそれぞれあると思います。

私も、これまでに多くの子どもたちとこの「運動会」シーズンを過ごしてきました。教師として、子どもらと関わる大人として、様々な場面で、子どもたちにどのような声かけをしたいいのか、運動会が終わるまでどのように乗り越えたらいいのか、考えてきました。

A君は、友達や周りの人の目が気になり、開閉会式で自分の学年の、自分の並ぶ場所に並ぶことができませんでした。開会式の練習中、A君は一人テントの中にいました。B先生がA君に「当日は、ここ(テントの中)はとても目立つよ。」と言いました。A君はB先生に、「それだったらどうしたらいい?」と聞きました。B先生は「一緒に考えよう」と言って、一人で他学年の列の後方に並んでみました。テントの中より目立ちにくいと思い、A君を誘いました。A君は半信半疑でB先生の後に付いてきました。他学年の列の後方ということでA君はB先生の隣に並ぶことができました。その後二人でもっと居心地のいい場所(できるだけ自分の学年に近く、それでいて近すぎない場所)を探しました。当日は自分の学年の後方に並んで参加することができました。(本事例は、プライバシー保護のために、内容を加工しています。)

「それぞれの運動会」を乗り越えた子どもたちは、少しだけ逞しくなったように見えます。


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