2014年12月31日水曜日

ありがとうございました

今年(2014年)も残すところ、2時間を切りました。

今年は私たちの研究会にとって、大きな一歩を踏み出した年でした。
成果を述べてみたいと思います。
 ① 6月からの月1回の実施
 ② 公益財団法人日本教育公務員弘済会宮崎支部様からのグループ研修助成金交付
 ③ 講演会の開催
 ④ 宮崎市内の小中学校への講演会案内の送付
 ⑤ ブログ開始
毎回、それぞれの先生が子どもへの指導や家族支援に関する悩みを語りました。これまでに出会った子どものことや、前日(金曜日)に起きた事例への対応策など様々な内容について語り合い、学び合うことができました。
グループ研修助成金を頂いたことで、講演会を開催することができました。講演会を開催することで、宮崎市教育委員会様より名義後援を頂き、宮崎市内の全小中学校に講演会の案内を行うことができました。講演会の開催を通して、この研究会を多くの方に知って頂くことができました。
最後に、ブログを始めたことは、研究会にとっても、私にとっても初めてのことでした。ブログを通して、講演会や学習会の細かな案内をすることができました。

この1年、多くの方にお世話になりました。ありがとうございました。

2015年も月1回の実施を目指します。1月の研究会は、17日にゲストを招いて行います。宮崎県内の教職員、SSWの方でしたらどなたでも参加可能です。気軽に参加してください。いつでもお待ちしております。(子どもの指導や家族支援等で困ったときや相談したいとき、話を聞いてほしいと思ったときだけの参加でも歓迎です。)

来年も、皆様にとって幸せな1年になりますように。




講演会の感想 と 第2弾 不登校ゼロの達成(明治図書2006年3月初版・2007年3月再版)

講演会の感想を紹介します。

「SSWに強い興味があり、ご縁があり本日参加させていただきました。うなづく場面がたくさんあり、子育て経験と、九州保健福祉大学での心理と社会福祉士の通信課程が終わったところで、これから自分に何ができるかと考えていたところでした。広い視野や資質も必要だと思いますので、これからも自分の子育てを通して実生活に生かしていきたいと思いました。ありがとうございました。」

「不登校の子どもへの対応について今まで不勉強でした。今回初めて参加させて頂いてとても勉強になりました。」いい機会を与えてくださいまして感謝しています。是非、学校に持ち帰り、動いてみようと思います。」

「カウンセリングは内省を促すもの」という言葉が響きました。(後略)

不登校ゼロの達成(明治図書2006年3月初版・2007年3月再版)の第Ⅳ章では、再登校成功、不登校ゼロといった成果から導き出された方法論として「不登校ゼロのための8か条」がまとめられています。
あとがきでは、現在、結果として不登校ゼロといった実際に成果を上げているのは、6段階を踏みながらその子どもを「育む」ことを基本とした支援であると書かれています。最後に、不登校児への対応に必要なこととして、次の文を紹介して、第2弾を終了したいと思います。
「それは、子どもが夢をもちいろいろなことに正面から向かっていけるようにいろいろなことを身につけること、育むことであると思います。」

2014年12月25日木曜日

講演会の感想 と 第2弾 不登校ゼロの達成(明治図書2006年3月初版・2007年3月再版)

講演会の感想を紹介します。

「(略)欠席時の対応マニュアルもとても参考になりました。次年度の提案で頑張って声をあげたいです。」

「(略)アセスメント、一人一人を分析して適切なプログラムを立てること、学校全体で取り組むことが大切だと思いました。」

「(略)『寄り添うだけではなく行動でも』という話があったが、まさにその面が学校で不足している部分だと思う。自分は特別支援教育コーディネーターをしているが、応用行動分析という理論がバックにあると、先生や保護者、子どもたちとも、話がしやすいだろうと思う。」


「(略)思うことがいっぱいでなかなか言葉になりませんが、貴重ないい充実した時間となり、自分へのいいエネルギーになりました。ありがとうございました。」

小野先生の著書である「不登校ゼロの達成」(明治図書2006年3月初版・2007年3月再版)の第Ⅲ章「不登校の解決事例の実際」では、個別再登校支援計画を適用した実際の不登校解決事例が述べられています。事例は次の4つです。
 1 要求語が言えないことが原因の事例(小3男子)
   「回避」を「育む」に転換した再登校支援
 2 いじめにより神経症症状を起こした事例(中3女子) 
   特別扱いをしない再登校支援
 3 学習の遅れが原因の事例(小6男子)
   教育支援センターとの連携による再登校支援
 4 喘息から生じた怠学傾向のある事例(中1男子)
   学級担任主体の継続登校支援

 どの事例でも、様々なデータと詳細な記述で、教師としてどのように関わればよいかが分かりやすく書かれています。




2014年12月23日火曜日

講演会の感想 と 第2弾 不登校ゼロの達成(明治図書2006年3月初版・2007年3月再版)

講演会の感想の一部を紹介します。

「小野先生の講義は数回聞きましたが、結果を出せる実践なので、とても興味をもっています。専科を担当していろいろな子どもさんとふれ合う中で、これまでの経験だけでは授業への集中や学力保障が難しくなる傾向の現状を日々感じています。データの取り込みや、明確に分かりやすい分析の仕方など勉強になりました。(略)客観的な調査・分析によって、対応の仕方が分かり、今後の実践につなげていきたいです。」

「不登校の子どもの学習面だけでなく、体力面も注目しなければならないこと、また、家庭内での関わり方を変え、回避行動を容認しない、不安を低いところから段階を踏んで経験していくことによって、子どもが自己適用でき、自分自身のセルフコントロールができるようになるというのが分かりました。ソーシャルワークの勉強中ですが、このような先生のお話をお聞きすることができ、今後の学習や実践に活かしたいと思います。」

小野先生の著書紹介第2弾では、不登校ゼロの達成(明治図書2006年3月初版・2007年3月再版)を紹介します。
本書は、
第 Ⅰ章  不登校ゼロの達成と維持
第Ⅱ章 不登校の個別支援計画の進め方
第Ⅲ章   不登校の解決事例の実際
第Ⅳ章   不登校ゼロのための8か条 
の4つの章からできています。

第Ⅰ章では、第1弾で紹介したA町での不登校減少プロジェクトの説明や経過、その後の結果が書かれています。第2章では、不登校の支援計画の必要性、支援計画のつくり方と進め方ということで、「6つのステップ」が書かれています。6つのステップとは、
ステップ1:再登校支援体制確立会議—保護者の明確な依頼を受けて教師は動きましょう
ステップ2:個別支援計画決定会議—その子にあった再登校計画を立てよう
ステップ3:再登校個別支援計画実施状況点検会議
ステップ4:再登校予定日事前会議
ステップ5:再登校状況点検会議
ステップ6:計画的介入終結会議 のことを指します。

詳しいことは、本書を読んでください。ステップ2の「再登校準備段階評価表」は、「通所状況」「計画作成状況」「学習達成状況」「社会的スキル」「身体的状況」等、10の領域が3段階に分類されており、準備段階の把握や評価にとても活かせると思います。

今日はここまでです。

2014年12月20日土曜日

講演会、大成功!ありがとうございました

記念すべき10回目の学習会が大成功に終わりました。
冬雨の中でしたが、約20名の方に参加していただきました。
講師の小野先生をはじめ、小野先生のご支援を受け、再登校を支援したお母様、特別支援教育コーディネーター及び補助指導員の先生、ありがとうございました。アットホームな雰囲気で、しかもとても充実した学習会になりました。

参加者からの感想も一部、紹介させていただきます。会の様子や参加された方の思いを少しでも伝えられればと思います。


「とても楽しく、勉強になった時間でした。教科指導で使える内容もあり、児童への接し方を見直すことができました。怠学との違いや私自身の判断レベルの低さ等、本当に勉強になり、これから即活用していきたいと思いました。」


「小野先生の講義は、実践に基づいたもので説得力があり、納得させられることが多く、自分の考え方を改めて見直す機会となりました。アセスメントをしっかりと整理し、実態を見極める力なくしては、最終的に保護者や子どもの行動に変化を与えることができない。『10step実践サイト』は、購入して明日からの実践につなげたいです。有意義な会にさんかできたことを改めて感謝致します。」


まだまだありますが、今日はここまでです。残りの感想後日紹介します。



本日、9時40分からです。

私たちの研究会は今日が10回目です。今年度は、月1回行っています。
いつもは5〜6人で情報交換や事例検討等を中心に行っています。

記念すべき今回は、講演会を企画しました。
講師の小野先生から講演会資料が届き、参加者数(約30名)分の印刷を行いました。
印刷しながら資料の内容を読ませていただきました。

欠席児童・生徒への対応として、どの学校でも使える(使う必要のある)資料が多くあり、直接話を聞くのがとても楽しみです。

今回、宮崎市教育委員会様より名義後援を頂いたことで市内全小中学校に案内を出させて頂きました。「職員会で紹介されたよ」等の話を聞き、とてもありがたいことだと思いました。

研究会に参加されている方が、それぞれの場所で、いろいろな方に声をかけて頂きました。申込のメールに「○○先生から紹介されました」とあり、またまた嬉しくなりました。

今回の講演会は、公益財団法人日本教育公務員弘済会宮崎支部様からのグループ研修助成金を使わせて頂いています。とてもありがたいことだと思っています。

皆様のご厚意で作られた講演会、とても楽しみです。

後援会の様子や感想等は今後ブログで紹介します。



2014年12月16日火曜日

第1弾「教師のための不登校サポートマニュアル 不登校ゼロへの挑戦」(明治図書2005年3月初版)

第1弾は今日で終わりです。
今回は「Ⅳ 不登校問題解決に向けて」を紹介します。

Ⅳ章では、不登校問題解決のための、教育委員会、学校管理職、教師、養護教諭のさまざまなレベルでのシステムが提案されています。

教育委員会の役割の中で、「再登校支援成功教師と他校教師との学び合い・情報交換のためのネットワークづくりの支援をする」ことが望ましいとありました。
私たちの「みやざき子ども支援研究会」も、草の根レベルでの「学び合い・情報交換のためのネットワーク」であり続けたいと思いました。

2014年12月15日月曜日

第1弾「教師のための不登校サポートマニュアル 不登校ゼロへの挑戦」(明治図書2005年3月初版)

「Ⅱ 熊谷市での不登校半減への取り組み」は省略します。

「Ⅲ A町での不登校減少プロジェクト—発生率ワーストワンから不登校ゼロへの軌跡」では、A市での不登校減少プロジェクト開始の経緯と趣旨、取り組み、途中結果とそれまでの経過、そして最後に、なぜA市は一年足らずで不登校ゼロとなったか、について書かれています。A市というのは、ある県のほぼ中央部に位置し、のどかな田園風景が広がる人口約9000人で、1中学校、4小学校があるところです。
 このプロジェクトは、平成15年度・16年度の2カ年で行われ、筆者の小野昌彦先生は平成15年4月から16年9月末日まで顧問スーパーバイザーとして参加されています。

 「2 不登校減少プロジェクトの取り組みについて」では、個別教育プログラム(IEP)を用いての再登校支援について書かれています。IEPとは、小野昌彦先生らが筑波大学心身障害学系小林重雄研究室において1989年から開発を進められているものです。

子どもの支援のためにも、IEPについてしっかり学びたいと思います。



2014年12月14日日曜日

第1弾「教師のための不登校サポートマニュアル 不登校ゼロへの挑戦」(明治図書2005年3月初版)

「早期発見・早期対応」等、子どもへの対応について紹介したいと思います。

 不登校問題の予防には、2つの段階があり、一次予防と二次予防と呼ばれ、一次予防は問題を起きにくくする段階、二次予防は早期発見・早期対応であるとあります。
 早期発見・早期対応の実際として、見出しを紹介します。
 1 欠席に敏感に動く
 2 ストレス反応への気づきと対応
 (1)ストレス反応に気づく
 (2)身体症状
 (3)不安・緊張
 (4)攻撃・怒り
 (5)無気力・憂鬱—褒める機会をつくる
 3 ストレスの元にはたらきかけ、味方を増やす
 (1)ストレスの元にはたらきかける
 (2)子どもに「味方」と思ってもらえる教師になる
 (3)すべての子どもをえこひいきする
 (4)子どもを支える人を増やす

登校を渋っている子どもの自宅へ迎えに行ったときや、学校の教育相談室等で子どもと話をするときに行う子どもへの言葉かけ等、どのように関わればいいのか悩みますが、上記で紹介した内容からヒントをもらえると思います。

2014年12月11日木曜日

第1弾「教師のための不登校サポートマニュアル 不登校ゼロへの挑戦」(明治図書2005年3月初版)

私の手元に小野昌彦先生が書かれた本が3冊あります。
「教師のための不登校サポートマニュアル 不登校ゼロへの挑戦」
                   (明治図書2005年3月初版)
「不登校ゼロの達成」(明治図書2006年3月初版)
「学校・教師のための不登校支援ツール〜不登校ゼロを目指す包括支援ガイド」(風間書房2013年4月30日初版)
の3冊です。
第1弾は、小野昌彦先生と小林正幸先生が書かれた「教師のための不登校サポートマニュアル 不登校ゼロへの挑戦」という本の紹介をします。

この本は4つの章があり、Ⅰ・Ⅱ章を小林先生が、Ⅲ・Ⅳ章を小野先生が担当されています。Ⅰ章では「不登校についての基本的なとらえ方・考え方」、Ⅱ章では「熊谷市での不登校半減への取り組み」、Ⅲ章では「A市での不登校減少プロジェクト−発生率ワーストワンから不登校ゼロへの軌跡−」、Ⅳ章では「不登校問題解決に向けて」が書かれています。

Ⅰ章の「1 不登校はどのようにして起きるのか」は、「不登校問題解消の主人公としての教師」についてです。教師は、数多くの子どもと長い時間一緒にいて、向き合っている専門家であり、その専門家のプロ意識と力を信頼したい、と書かれています。さらに、「4 不登校になる子どもは、学校のどこが嫌いなのか」及び「5 内省力がない教師たち」では、「不登校体験者による不登校のきっかけ(現代教育研究会、2001)」と「教師による平成5年度中学生の不登校のきっかけ(文部省、1994)」の結果、特に「教師との関係をめぐる問題」の数値の違いが気になるとあります。前者が20.8%であるのに対して、後者は1.7%です。この違いから、教師は我が身が不登校のきっかけを作り出していることに、気づきにくいのかもしれません、とあります。私も教師として、このことを受け止めて、子どもたちとの関係を見直さなければならない、と考えます。
 
次回は、「早期発見・早期対応」等、子どもへの対応について紹介したいと思います。


2014年12月9日火曜日

20日は講演会です

これまで、「アタッチメント障がい」や「反応性愛着障がい」の状態や診断基準を書いてきました。この後は、対応について述べたいと思います。

その前に、次回から20日の講演会の講師をしていただく小野先生の書かれた著書等について紹介をしたいと思います。お楽しみに。

2014年12月5日金曜日

アタッチメントについて NO.8

反応性愛着障害というのは、アメリカ精神医学会が作っている精神疾患に関する診断基準(DSM)にあります。昨年5月、DSM−5が出版されました。19年ぶりの改訂だということです。以下に紹介します。

反応性愛着障害(DSM-5)
A. 5歳以前に始まり、著しく障害され発達的に不適切な愛着行動の様式で、慰安、援助、保護、愛情を求めて識別された愛着対象に、めったにあるいは最小限にしか選択的に注意を向けない。
以下の両方によって明らかにされるように、この障害は抑制され、情緒的に引きこもった持続的な行動様式で、子どもは大人の養育者に対しめったにあるいは最小限にしか愛着行動を向けない。
 1. 心理的苦痛を感じている時に、めったにあるいは最小限にしか慰安を求めない
 2. 心理的苦痛を感じている時に、めったにあるいは最小限にしか提供された慰安に反応しない。
B. 持続的な社交、情緒の障害で、以下の少なくとも2つによって特徴づけられる。
 1. 他者に対する社交的、情緒的な反応性の相対的な欠如
 2. 制限された陽性感情
 3. 威嚇的でない大人の養育者との交流の際も、説明の出来ない、苛立たしさ、悲しみ、または恐怖のエピソードがある
C. 自閉症スペクトラム障害の診断基準を満たさない。


このブログで紹介している反応性愛着障害については、「DSM−Ⅳ」に基づいて書いています。(WHOの診断基準、また、本ブログで参考にしている本がDSM−Ⅳのもとに作られているので。

 4月の研究会のご案内です。 日時:4月13日(土)16時から18時 場所:アオシマコーヒー 住所:宮崎市青島2丁目6-5 青島BAR 2F 電話:080-5602-2788 皆さん、お気軽にお越しください。