2015年12月31日木曜日

1年間のお礼

今日で2015年も終わりです。
ここで本研究会の1年間を振り返ってみます。

まずは、1年間毎月学習会を行うことができました。多忙な毎日なのに、貴重な土曜日を学習会に充てていただきありがとうございました。毎月集まることができ、元気と知恵(対応策など)をいただきました。

次に、研究会のことを多くの人に知っていただくことができました。学会やフォーラム、講演会、研修会などいろいろな場に参加し、そこで宣伝をさせていただきました。そのおかげで、少しずつ参加者が増えてきました。南九州地区交流集会を行うことができたのも、いろいろな人とのつながりからでした。
参加者が増えている要因がもう一つあります。それは、ぶろぐの更新です。学習会の案内や子ども支援に関する情報を紹介してきました。「いつも学習会にぶろぐを見ていました。今日初めて学習会に来ました。」などと、ぶろぐを見ていただいた方が参加されることもあり、「ぶろぐを書いていてよかったなあ」と思いました。今後は、近隣の県の情報も紹介していきたいと思います。
この1年は、本研究会が大きく発展した年でした。また、昨年に引き続き公益財団法人日本教育公務員弘済会宮崎支部様からグループ研修助成金を交付していただきました。感謝の気持ちで一杯です。
2016年も少しずつ発展させていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。




お礼

交流集会以降、更新できませんでした。
本ぶろくに訪問してくださった方、すみませんでした。

1年間のお礼の前に、交流集会のお礼を述べたいと思います。

当日(12月5日)は、27名の参加があり、主催者としてとてもうれしく思いました。
今年は準備が遅くなり、市内各校に交流集会の案内を配布することができませんでした。(次年度の課題です。)しかし、参加者は昨年より7名増えました。理由としては学習会を毎月行い、その中で、交流集会の準備を行ってきたこと、1年間ぶろぐを続けてきたこと、県を超えた交流が始まったことなどが考えられます。もう一つ、子どもを取り巻く状況が深刻になっているということがあります。その状況に対して「一人の教師」「一つの学校」だけでは解決に向けての対応が難しくなっています。そのためには「つながる」必要があります。子どもの置かれている状況への対応に悩んでいる教師とSSWが集まり(教育と福祉の視点)、対応方法をはじめ様々なことを語り合う。また、語り合える場をつくる。このことが求められていると強く感じます。来年の集会も宮崎で行う予定です。多くの参加をお待ちしております。講師の丸山先生をはじめ、鹿児島県と熊本県から参加しいていただいた方、宮崎県内から集まっていただいた方、事前の準備から当日の後片付けまでしていただいたスタッフの方、そして、集会の案内をして多くの先生方に広げてくださった方々、本当にありがとうございました。


2015年12月5日土曜日

南九州子ども支援研究交流集会情報(お待ちしております) 

いよいよ交流集会です。

今回は南九州地区での交流集会ということで企画しましたが、鹿児島県、熊本県、宮崎県の3県から参加のお申し込みをいただき、主催者として本当にうれしいです。

現在、お申し込みいただいている方が28名です。

まだお申し込みされていないが、参加を希望される方は、事前のお申し込みは必要ありませんので、お気軽にご参加下さい。

お待ちしております。

皆さん、交通事故等に気をつけられてお越し下さい。
お待ちしております。

2015年12月2日水曜日

南九州子ども支援研究交流集会情報 ⑤

交流集会まであと3日となりました。
参加者数は、現在22名です。(お申し込みいただいた方、ありがとうございます。まだまだ受付中です。)

分散会では、4つのグループに分かれて、いろいろな悩みや活動状況、子どもへの指導・保護者への相談等に関して、語り合いたいと思います。

よろしくお願いします。


2015年11月30日月曜日

南九州子ども支援研究交流集会情報4

今日は、スクールソーシャルワーカー実践活動事例集(平成20年12月)とはどのような内容なのか、紹介します。
下に目次を紹介します。


章 スクールソーシャルワークの在り方 ..........................................p.04~p.33
  1. 1  スクールソーシャルワーカーとは何か ............................................................p.04
  2. 2  スクールソーシャルワーク活動におけるソーシャルワークとは ...........................p.08
  3. 3  ケース会議、ケース記録の活用 .....................................................................p.12
  4. 4  スクールソーシャルワーカーが「つなぐ」関係機関 ..........................................p.30
章 教育委員会・学校の実践 .........................................................p.34~p.64 

 1  教育委員会の実践 ....................................................................................p.34
(1) 都道府県教育委員会での取組 ・群馬県、大阪府、香川県、熊本県
(2) 市区町村教育委員会での取組 .....................................................................p.50 ・茨城県結城市、東京都杉並区
 2  教育委員会指導主事とスクールソーシャルワーカーの協働 .................................p.57
 3  学校とスクールソーシャルワーカーの協働 ......................................................p.61

章 スクールソーシャルワーカーの活動 ..........................................p.65~p.89
  1. 1  スクールソーシャルワーカーの実践活動 .........................................................p.65
  2. 2  スクールソーシャルワーカーの事例報告 .........................................................p.78 


    丸山先生が執筆された事例は、Ⅱ章3「学校とスクールソーシャルワーカーの協働」で紹介されています。
    この事例集は、日常の校内での支援にも活用できるものとなっています。

    引用文券
    スクールソーシャルワーカー実践活動事例集(平成20年12月) 文部科学省

2015年11月29日日曜日

南九州子ども支援研究交流集会情報③(講師の紹介)

丸山先生は、7月に行われた日本学校ソーシャルワーク学会で行われた基礎研修 で講師をされました。基礎研修は、「スクールソーシャルワーカーに求められるもの~学校現場が期待するスクールソーシャルワーカー~」というテーマで行われました。

また、丸山先生は、平成20年度に文部科学省より発行された「スクールソーシャルワーカー実践活動事例集」の「第2章 教育委員会・学校の実践 3. 学校とスクールソーシャルワーカーの協働.....SSWを活用するための校内体制をどうつくるか......」で報告されている方です。



また、私は平成20年に寝屋川市立和光小学校に視察に行き、そこで丸山先生の話を聞きました、この話をもっと多くの人に聞いてほしくて、その翌年、宮崎に呼び、講演会を行いました。参加された方からは大好評でした。今回も久しぶりに宮崎に来てもらうので、とても楽しみにしています。

南九州子ども支援研究交流集会情報②

丸山先生の講演の後、分散会を行います。
現在の参加申込数は、教職員9名、SSW6名、研究者2名です。その他に、数名の方が参加予定です。
分散会の会場は2つの教室に分かれて行います。当日の人数次第では、3つのグループに分かれる予定です。話合いのテーマは決めずに、自由に話し合いたいと思います。

まだ申し込みをされていない方も、まだまだ参加可能ですので、お待ちしております。
教職やSSWを目指す学生さんの参加もお待ちしております。

2015年11月20日金曜日

12月5日の宿泊について

南九州地区子ども支援研究交流集会を12月5日に宮崎市で行います。多くの方の参加をお待ちしております。

昨日、5日の宿泊についてメールを頂きました。それは、宮崎市内のホテル・民宿等は満室になっている、ということでした。メールを頂いてすぐに電話帳を使って宮崎市内(清武地区・田野地区・佐土原地区を含む)を探しました。しかし、どこも満室でした。理由は、12月6日に行われる航空ショーでした。でも、「どこかにはきっとある・・」と電話を続けたら、ありました!清武地区(宮崎大学から車で約15分)に確保することができました。

20名分の宿泊先は確保しましたので、宿泊を希望される方は安心して、ご参加下さい。

お待ちしております。



2015年11月16日月曜日

ありがとうございました

11月の定例学習会を14日(土)に行いました。
学習会には、小学校教員4名、SSW2名、研究者1名、計7名が参加されました。
話題としては、事例検討と12月の交流会の運営についてでした。宮崎キワニスクラブが運営している「みやざき子どもほほえみ基金」に関する話も出ました。
参加された皆さん、ありがとうございました。

12月の学習会は、「南九州子ども支援研究交流集会」として、鹿児島県や熊本県の方も一緒に、講演会や分散会を行います。
日時 12月5日(土)午後1時〜午後5時(講演会は午後3時まで)
場所 宮崎大学教育文化学部講義棟102教室
今回は参加費が必要です。上記の集会要項をお読み下さい。
    
講演会のみの参加も可ですので、ぜひお越しください。

2015年11月12日木曜日

11月の学習会の案内

11月の学習会をご案内します。

日時 11月14日(土)9:30 〜 11:30
会場 コーヒーHAMASAKI  住所 宮崎市柳丸町153-1 パティオ柳丸C1-7

今回の会場は、オーナーのご厚意で、「コーヒーHAMASAKI」にて
開催させていただきます。

場所等の、お店についての詳しい情報は、「コーヒーHAMASAKI」
で検索してください。

宮崎県内の小中高校・特別支援学校の教職員、SSWの方ならどなたでも参加できますので、お気軽にご参加ください。事前の連絡等は必要ありませんので。

2015年11月1日日曜日

ありがとうございました

10月の学習会は、小学校教員7名、SSW2名、研究者2名、計11名が参加されました。
話題としては、事例検討と12月の交流会の運営についてでした。

11月の学習会は
日時 11月14日(土)午前9時30分〜11時30分
場所 決まり次第お知らせします。

参加された皆さん、ありがとうございました。

2015年10月18日日曜日

10月の学習会の案内

10月の学習会をご案内します。

日時 10月31日(土)9:30 〜 11:30
会場 宮崎市民プラザ4階 小会議室

今回の会場は、宮崎市役所北隣にある宮崎市民プラザにて開催させていただきます。
駐車場は、地下駐車場が2時間以内無料で、それ以降が《1時間200円》になります。会場から少し離れた所にある松橋駐車場は、無料となっています。

宮崎県内の小中高校・特別支援学校の教職員、SSWの方ならどなたでも参加できますので、お気軽にご参加ください。事前の連絡等は必要ありませんので。

2015年10月13日火曜日

本の紹介「子ども虐待の諸相」(児童心理 2015年10月号 臨時増刊No.1011)

今回は、児童心理 2015年10月号 臨時増刊No.1011を紹介します。テーマは、「子ども虐待の諸相」です。一昨日、本屋で見つけ、すぐに買いました。なぜ、すぐ買ったかというと、第一線の研究者・実践家が様々な角度から「子ども虐待」について、書かれているからです。
それでは、目次を少しだけ紹介します。
1 家族の中の虐待—統計資料等に見られる特徴
2 子どもを「壊す」親たち
 ● 子どもを虐待する親の中の問題
 ● 子どもの中にある問題
3 虐待が子どもに引き起こすもの
4 虐待を受けた子どもの発見、保護、治療と回復のための支援
 ● 虐待の発見
 ● 壊れている親と家族の修復
 ● 虐待を受けた子どもの育つ場所
このほかに、コラムが3本あります。


「子ども虐待の諸相」(児童心理 2015年10月号 臨時増刊No.1011)
               金子書房  定価 1,296円

2015年10月4日日曜日

南九州子ども支援研究交流集会情報①

12月5・6日に宮崎市内で行う「南九州子ども支援研究交流集会」に関する情報を、今回から少しずつ紹介します。

今回は、情報交換会(飲み会)についてです。
交流集会初日は、午後1時から4時までです。はじめの会の後、丸山先生の講演会が行われます。情報交換会(1次会)は午後6時から8時までです。会場は、宮崎市内にある「柚子庵」というお店です。私も先日「柚子庵」に行きましたが、お店も素敵で、料理もとても美味しく、鹿児島や熊本の方にも「宮崎の味」を楽しんでもらえるのでは、と思っています。実は、その時に情報交換会の会場を「柚子庵」にしようと思い、その場で予約しました。詳しくは、お店のHPをご覧ください。 http://yuzu-an.co.jp/

2015年9月22日火曜日

登校に支援の必要な子どもと運動会

秋と言えば「運動会」のシーズンです。中学校は運動会を終えている学校も多いと思います。小学校は9月下旬や10月上旬に行われる学校が多いのかなと思います。春に行う学校も多くありますが。

登校に支援の必要な子どもにとって運動会または運動会の練習は、乗り越えるのがとても大変な行事です。一言で「乗り越える」と書きましたが、乗り越える内容(「練習の段階から開閉会式、ダンス、団体競技、徒競走に参加する」「練習には参加せずに当日のみ参加する」「参加できそうなものに参加する」「競技等には参加せずにテントの中で応援をする」「登校はするが保護者席で過ごす」等)は子どもによってそれぞれあると思います。

私も、これまでに多くの子どもたちとこの「運動会」シーズンを過ごしてきました。教師として、子どもらと関わる大人として、様々な場面で、子どもたちにどのような声かけをしたいいのか、運動会が終わるまでどのように乗り越えたらいいのか、考えてきました。

A君は、友達や周りの人の目が気になり、開閉会式で自分の学年の、自分の並ぶ場所に並ぶことができませんでした。開会式の練習中、A君は一人テントの中にいました。B先生がA君に「当日は、ここ(テントの中)はとても目立つよ。」と言いました。A君はB先生に、「それだったらどうしたらいい?」と聞きました。B先生は「一緒に考えよう」と言って、一人で他学年の列の後方に並んでみました。テントの中より目立ちにくいと思い、A君を誘いました。A君は半信半疑でB先生の後に付いてきました。他学年の列の後方ということでA君はB先生の隣に並ぶことができました。その後二人でもっと居心地のいい場所(できるだけ自分の学年に近く、それでいて近すぎない場所)を探しました。当日は自分の学年の後方に並んで参加することができました。(本事例は、プライバシー保護のために、内容を加工しています。)

「それぞれの運動会」を乗り越えた子どもたちは、少しだけ逞しくなったように見えます。


2015年9月15日火曜日

交流会について

7月4・5日に行われた日本学校ソーシャルワーク学会への参加報告でも紹介しました、南九州での交流会の準備を始めています。現在、決まっているのが、以下の通りです。

期日:平成27年12月5日(土)・6日(日)
場所:宮崎市内
記念講演:丸山 涼子先生(大阪府寝屋川市立和光小学校元校長) 


丸山先生は、上記の学会で行われた基礎研修 で講師をされました。基礎研修は、「スクールソーシャルワーカーに求められるもの~学校現場が期待するスクールソーシャルワーカー~」というテーマで行われました。

また、丸山先生は、平成20年度に文部科学省より発行された「スクールソーシャルワーカー実践活動事例集」の「第2章 教育委員会・学校の実践 3. 学校とスクールソーシャルワーカーの協働.....SSWを活用するための校内体制をどうつくるか......」で報告されている方です。


プログラム等、決まり次第、ブログに掲載しますので、ご期待下さい。

2015年9月13日日曜日

ありがとうございました

9月の学習会は、小学校教員4名、SSW2名、計6名が参加されました。
話題としては、地域連携の作り方と今後の学習会の内容についてでした。

10月の学習会は
日時 10月31日(土)午前9時30分〜11時30分
場所 決まり次第お知らせします。

参加された皆さん、ありがとうございました。




2015年9月10日木曜日

9月学習会のご案内

9月の学習会をご案内します。

日時 9月12日(土)9:30 〜 11:30
会場 コーヒーHAMASAKI  住所 宮崎市柳丸町153-1 パティオ柳丸C1-7

今回の会場は、オーナーのご厚意で、「コーヒーHAMASAKI」にて
開催させていただきます。

自家焙煎のおいしいコーヒーを飲みながら、お話ししませんか。

場所等の、お店についての詳しい情報は、「コーヒーHAMASAKI」
で検索してください。

宮崎県内の小中高校・特別支援学校の教職員、SSWの方ならどなたでも参加できますので、お気軽にご参加ください。事前の連絡等は必要ありませんので。

2015年9月4日金曜日

子ども支援のための地域連携の方法②

今回は、子どもやその家族と民生委員さんや主任児童委員さんが「支援が必要なとき」以前に知り合う仕組みづくりについて、2つ紹介したいと思います。

一つ目は、発表会等の案内です。学校生活では、年間を通して様々な発表会や大会などが行われます。その案内や招待状を民生委員さんや主任児童委員さんに直接手渡す会を行うことで、子どもたちとのつながりを作ることができます。この会を行うときの留意点として、支援の必要な子どもが特定されないように、すべての子どもが民生委員さんや主任児童委員さんに渡すようにします。すべての子どもが渡すことで、すべての子どもがつながりを作ることができます。

二つ目は、民生委員さんや主任児童委員さんに授業そのものに参加してもらい、そこで子どもとのつながりを作るというものです。例えば、地域のバリアフリー調査を行う際に、民生委員さんや主任児童委員さんに子どもと同行してもらったり、地域の清掃活動を子どもと一緒にしてもらったりします。


次に、発表会の案内や授業への参加を依頼及び実際に活動するときの留意点を述べたいと思います。
① 民生委員さんへの案内や出会依頼は、事前に各地区の民生委員児童委員協議会会長さんに相談をすることでスムーズに行うことができます。また、民生委員児童委員協議会では定例会が行われますので、会長さんに相談をして、定例会で直接お願いをさせてもらうのもいいと思います。
② 民生委員さんには、それぞれ担当地区があります。子どもたちと民生委員さんのグループ編成を行うときには、担当地区を考慮して行います。調査活動や清掃場所への移動の中で、子どもたちは民生委員さんの家を覚え、子ども自身が民生委員さんに支援を依頼することができるようになると思います。

民生委員さんや主任児童委員さんと子どもがつながることで、その保護者や家族ともつながることができます。
また、子どもたちの学習活動への効果もあります。子どもたちは、発表等を民生委員さんに見てもらったり、調査活動を直接地域に出て行うので、学習への意欲も高まると思います。



2015年8月31日月曜日

明日から9月

皆さん、お元気でしょうか。

8月も今日までですね。
地域によっては、もう授業が始まっているところもありますが、明日からいよいよすべての学校で授業が始まります。

子どもたちは今どのような心境でしょう。明日への期待や不安、よだきぃ(だるい)なあ、宿題のことで先生やお家の人に怒られたら嫌だなあ、明日も休みたいなあ、などあると思います。

気になる子どもがいるときは、電話や家庭訪問などを行っておくと、現在の子どもの状況を把握することができ、明日の対応を考えておくことができます。

話は変わりますが、最近、本ブログへのアクセス数が増えています。これまでは、1日平均4、5件で、毎月の学習会当日は15件ぐらいありました。しかし、27日以降、毎日20件以上で、29日は44件ありました。テレビ等でSSW等が取り上げられたことも関係していると思いますが、悩んでいる保護者や学校の先生方、SSWの先生方もたくさんいらっしゃるのではないかと思いました。

本研究会は、県内の教職員とSSWの先生方で作っている研究会です。平成24年11月に発足し、昨年6月からは毎月1回行っています。研究会では、それぞれの先生方が抱えていることを話し、参加者でどのように対応したらいいのかを考えたり、情報交換を行ったりしています。また、時には、教育社会学が専門の研究者の先生からの質問に応える中で、現場の教師やSSWの先生方も改めて、「教育」の在り方や「支援」の在り方について考え、協議したり研究者の先生の話を聞いたりしています。

ときには、ゲストの方に参加していただいたこともあります。これまでに、不登校の子どもの「親の会」、宮崎日日新聞の記者で「子どもの貧困」の連載を担当された方、宮崎大学の先生に来ていただきました。

今後も、参加された先生方の悩みや不安が少しでも軽くなり、子どもたちが安心して過ごせるように、いろいろ方とつながりつつ、毎月の学習会を行っていきたいと思っていますので、どうぞお気軽に参加してください。事前連絡等は必要ありませんのでご安心ください。



2015年8月29日土曜日

参加、ありがとうございました。

今日は8名の参加がありました。ありがとうございました。

初めて参加された特別支援学校の先生から、小学校での不登校児童についての質問がありました。その質問に答える形でそれぞれの立場(SSW、養護教諭、特別支援学級担任、研究者)から事例や普段考えていることなどを出し合いました。

また、3県(熊本、鹿児島、宮崎)合同交流会や本会が主催する講演会についても簡単な提案をしました。

いろいろ決まったら、本ブログで紹介したいと思います。

次回の学習は、
9月12日(土) 午前9時30分から11時30分まで です。
場所は、未定です。

よろしくお願いします。

2015年8月27日木曜日

29日は学習会です。

8月の学習会の案内です。

期日:8月29日(土)午前9時30分から11時30分まで
場所:宮崎市教育情報研修センター 1F レクレーション室

この会は、校種を問わず、宮崎県内の教員またはSSWの方でしたらどなたでも参加できます。お気軽にご参加ください。お待ちしております。

子ども支援のための地域連携の方法①

子どもや家庭の支援を行うのに地域連携は重要です。学校・教師の立場からもSSWの立場からも言えることだと思います。
地域連携のメリットはいろいろな文献に掲載されています。本ブログでも紹介をしていますので、今回は方法について書きたいと思います。

地域連携の方法について、今回は教師の立場、学校の立場で紹介したいと思います。

子どもや家族への支援が必要になったときに、地域の民生委員さんや主任児童委員さんに見守り活動等をお願いしたり、ケース会議への出会を依頼し、情報の共有や具体的な支援のお願いをしたりします。この場合、「支援が必要になったとき」に初めて、子どもやその家族は民生委員さんや主任児童委員さんと出会います。保護者が地域の人の支援を必要としている場合は双方はつながりやすく、支援の効果が期待できます。しかし、保護者が必要としていない場合は、つながりにくく、支援を行いづらいことがあります。
では、どうしたらいいのか。

もし、子どもやその家族と民生委員さんや主任児童委員さんが「支援が必要なとき」以前に知り合っていたら、民生委員さんや主任児童委員さんは支援しやすくなると思います。また、子どもたち自身が困ったとき、話を聞いてほしいときに民生委員さんや主任児童委員さんに支援を依頼することもできます。
子どもやその家族と民生委員さんや主任児童委員さんが「支援が必要なとき」以前に知り合う仕組みづくりについて、次回紹介します。




2015年8月15日土曜日

「子どもが笑顔になるスクールソーシャルワーク」第5章「関係機関との恊働」

今回は、鈴木庸裕先生・佐々木千里先生・高良麻子先生が書かれた、「子どもが笑顔になるスクールソーシャルワーク」(かもがわ出版)のケース会議のすすめ方(校内チーム会議)」について紹介したいと思います。第5章から、「関係機関との恊働」について、紹介します。

まず、関係機関との恊働の基礎知識として、「恊働とは」「関係機関との恊働のメリット」「恊働を可能にする日頃の活動」等が書かれています。
恊働については、「異なる組織、あるいは異なる専門職などが目的を共有して、その目的達成のために協力し合って機能すること」とあります。また、恊働のメリットとして、①多様な視点から、多角的に問題を理解し支援できる。②多様な立場から支援を展開できる。③責任や負担を分散できる。このメリットを生かして、必要なときに関係機関と恊働するために「相互の関係性を構築」しておくことが必要であるとあります。私も経験ありますが、関係機関との日常的な関係性ができているときは、あらたな事例があるときでも、スムーズに支援を展開できます。
また、関係機関と恊働をする必要があるかどうかを判断することも難しいことです。
「関係機関との恊働の判断」では、次のような視点から判断することができると書かれています。・家庭内の問題が背景にあるか。 ・医療などの専門的判断が必要か。 ・警察の協力が必要か。 また、虐待が疑われるときには、児童相談所や福祉事務所に通告することが必要になる、とあります。

「関係機関との恊働方法」では、ケース会議が有効であり、「誰が何をいつまでにどのようにするのか」を明確にし、各専門機関の専門性を活かした役割分担をし、継続的に評価をしていく必要があると書かれています。

子どもの状況を包括的に把握し、必要な社会資源の活用等を意識して支援を計画するために、子どもと家族の関係性や、子どもや家族とさまざまな社会資源との関係を図式化したエコマップの活用についても紹介されています。

最後に、「関係機関との恊働における留意点」として、専門用語を使用しないとか、個人情報に関することが書かれています。


2015年8月11日火曜日

助成金、ありがとうございます。

先日、公益財団法人日本教育公務員弘済会宮崎支部様からのグループ研修助成金が交付されました。とても有り難いことだと思います。
昨年度は講演会の開催等に使わせて頂きました。今年度も学習会参加者の皆さんと検討して有効に使わせて頂きたいと思います。

2015年8月9日日曜日

第3章「ケース会議(校内チーム会議)」のすすめ方

今回は、鈴木庸裕先生・佐々木千里先生・高良麻子先生が書かれた、「子どもが笑顔になるスクールソーシャルワーク」(かもがわ出版)の第3章から、ケース会議のすすめ方(校内チーム会議)」について紹介したいと思います。

まず、ケース会議について、「『気になる子ども』を指導・支援するにあたり、その子どもについて情報を持つ教職員が一堂に会して、アセスメント・プランニングを検討する」会議であると説明されています。また、効果については、ケース会議で検討する中で、「子どもが抱える困難」を、教職員が事実に基づいて理解し、子どもや周囲のもつ強みや長所を確認するプロセスを経ることにより、『困った子』から『困っている子』への温かいまなざしのある学校環境が形成され、早期に必要かつ効果的な支援が届きはじめ、より良い学校生活の実現を可能にします」とあります。
この本には、「ケース会議の流れとタイムテーブル」があり、実際のケース会議の持ち方が詳しく書かれています。(会議の進行役の台詞や、ケース会議に関する校内研修のすすめ方も掲載されており、校内でのコーディネーター役の方は、必見です。)

次回は、第5章「関係機関との恊働」について、紹介します。

2015年8月8日土曜日

8月の学習会の案内

8月の学習会の会場が決まりましたので、ご案内します。

期日:8月29日(土)午前9時30分から11時30分まで
場所:宮崎市教育情報研修センター 1F レクレーション室

お待ちしております。

暑い日が続いています。どうぞ、ご自愛ください。

2015年8月5日水曜日

連携についてNO.1

子どもやその家族の支援を行うときに、学校だけで対応できないときに、関係機関や地域との連携を図ります。連携を行うときの要になるのが、ケース会議だと思います。しかし、ケース会議についての、いろいろな悩みを聞くことがあります。それは、「情報の共通理解」で終わってしまって、「具体的な支援」について決まらなかった、ということです。

ケース会議では、具体的にどのような支援を、誰(機関)が、いつまでに行うのか、はっきりさせます。全機関の進捗状況を把握し、新たな情報を共有することも有効です。当日配付のレジュメ等にそれらを記入する欄を設けると効率的・効果的な会議になります。

前回紹介した、「子どもが笑顔になるスクールソーシャルワーク」(かもがわ出版)の第5章には、「関係機関との恊働」について書かれています。「恊働」とは、「異なる組織、あるいは異なる専門職などが目的を共有して、その目的達成のために協力し合って機能すること」です。また、第3章には、「ケース会議(校内チーム会議)のすすめ方」についてもあります。
そこで、次回は、第3章を紹介したいと思います。

2015年7月29日水曜日

本の紹介「子どもが笑顔になるスクールソーシャルワーク」かもがわ出版

SSWという言葉は、現在はだいぶ知れ渡ってきましたが、いざ活用するとなると躊躇するのではないかと思います。
そのようなときは、鈴木庸裕先生・佐々木千里先生・高良麻子先生が書かれた、「子どもが笑顔になるスクールソーシャルワーク」という本がオススメです。この本の「はじめに」には、佐々木先生が次のように書かれています。
「子どもの元気な姿や、明るい笑顔の周囲には、必ず子どもにかかわる人々の笑顔があります。(略)だからこそ、子どもの笑顔のために、まず、先生に元気で笑顔でいてほしいのです。子どもの笑顔と家庭、とりわけ保護者の笑顔は連動しています。笑顔はどんどん伝播していく力をもっています。子どもを真ん中に、周囲が笑顔でつながっていく。このワークブックは、そんな理想的な状況を現実にするための実用本です。」

もくじを紹介します。
 序章 「なぜ学校でソーシャルワークが注目されるのか」
 第1章「教育とスクールソーシャルワークが出会うとき」
 第2章「アセスメントの使い方 —ソーシャルワークの活用方法1—」
 第3章「ケース会議(校内チーム会議)のすすめ方—ソーシャルワークの活用方法2—」
 第4章「保護者との面談 —ソーシャルワークの活用方法3—」
 第5章「関係機関との恊働 —ソーシャルワークの活用方法4—」
 第6章「スクールソーシャルワークの視点と出会う16のヒント」

その他に、資料として、初回用アセスメントシート(小学校用・中学校用・高等学校用・幼稚園用・)、継続アセスメントシート、保護者とつくるアセスメントシート、経過記録用紙 が掲載されています。

「子どもが笑顔になるスクールソーシャルワーク」(かもがわ出版)
  編者 鈴木庸裕・佐々木千里・高良麻子  定価1800円+税



2015年7月26日日曜日

ありがとうございました

昨日の学習会では7名の方が参加され、美味しいアイスコーヒーを頂きながら、事例報告と協議を行いました。事例報告の前に、先日行われた日本学校ソーシャルワーク学会の参加報告を私が行いました。報告の中で、学会で出会った熊本・鹿児島の方と、「南九州(熊本・鹿児島・宮崎)の交流会を行いたい」という話が出たことを伝えました。「やりたいですね」「いいですね」という声もあり、この交流会をぜひ実現したいと改めて思いました。そのときは、このブログを通して、案内をさせていただきますので、多くの方に参加していただきたいと思います。話を本題に戻します。協議では、学校内での協力体制の作り方や、子どもや保護者、専門機関との関わり方について話し合いました。
また、今回は、宮崎大学の先生にも参加していただきました。先生の話から初めて知ったこともあり、今回も充実した、学びの多い会になりました。
参加された皆さん、ありがとうございました。
会場を提供してくださった COFFEE ROASTER HAMASAKI さん、ありがとうございました。

次回は、8月29日(土)、午前9時30分からです。
場所は未定です。
たくさんの参加をお待ちしております。

2015年7月25日土曜日

今日は学習会です

今日は7月の学習会です。

時間:AM9:30〜11:30
場所:コーヒーhamasaki

参加をお待ちしております。
事前連絡なしでの参加も歓迎します。お気軽に参加してください。





2015年7月14日火曜日

日本学校ソーシャルワーク学会第10回記念大会に参加して

7月4日・5日に福岡国際会場で行われた日本学校ソーシャルワーク学会第10回記念大会に参加しました。SSWや研究者、学校関係者等、320名を超す参加者でした。
4日の10時から基礎研修が、「スクールソーシャルワーカーに求められるもの~学校現場が期待するスクールソーシャルワーカー~」というテーマで行われました。定員が80名でしたが、申込み開始後の早い段階で満席になり、関心の高さの現れだと感じました。
午後からは大会がはじまり、特別支援教育とスクールソーシャルワークについてシンポジウム等が行われました。特別支援学校での子どもや家庭への支援や、特別支援教育コーディネーターとの役割分担等について話し合われました。
5日は、午前中に研究発表・実践発表があり、午後は分科会でした。

この2日間で、全国のいろいろな方とつながることができました。2日目が終わるころに、近隣の県(鹿児島・熊本)が集まって学習会及び交流会を行いたいですね、と話が盛り上がりました。これからが楽しみです。

私は、この2日間、いろいろな場で、多くの方に「みやざき子ども支援研究会」の活動の様子を話しました。話す中で、教員とSSWが語り合う場の必要性を改めて感じました。そのことを再確認できたことと、今後の研究会の運営の仕方や研修内容等について考えることができたので、参加してよかったと思いました。

大会関係者の皆様、ありがとうございました。
  

2015年7月9日木曜日

7月の学習会のご案内

7月の学習会の会場が決定しましたので、ご案内します。

日時 7月25日(土)9:30 〜 11:30
会場 コーヒーHAMASAKI  住所 宮崎市柳丸町153-1 パティオ柳丸C1-7

今回の会場は、オーナーのご厚意で、「コーヒーHAMASAKI」にて
開催させていただきます。

自家焙煎のおいしいコーヒーを飲みながら、お話ししませんか。

場所等の、お店についての詳しい情報は、「コーヒーHAMASAKI」
で検索してください。

2015年7月4日土曜日

日本学校ソーシャルワーク学会第10回記念大会に行ってきます

日本学校ソーシャルワーク学会第10回記念大会が、7月4日(土)・5日(日)、福岡市博多区の福岡国際会場で開催されますので、今から行ってきます。学んだことはこのブログで報告します。

2015年6月27日土曜日

ありがとうございました

6月の学習会を、4名の参加者で行うことができました。
いろいろな行事と重なったために参加できなかった先生方も多くいらっしゃいました。
次回の参加をお待ちしております。

次回は、7月25日(土)に開催します。場所は決まり次第紹介します。

体調を壊しやすい季節です。皆様、ご自愛ください。

今日は学習会です

今日は6月の学習会です。
時間はいつもの午前9時30分から
場所は宮崎市教育情報研修センター 1F レクレーション室
です。

子どもの支援や指導を行うには、知識とスキルとエネルギーが必要です。
私たちの学習会は、県内の教職員(特別支援教育担当や養護教諭の先生方もいます)とSSWが集まっています。それぞれの先生方の支援や指導上の悩みなどを少しでも解決または軽減するために、みんなで知恵を出し合っています。新しい考え方や情報を得る場にもなっています。また、悩みを話したり、話を聞いてもらうことでエネルギーを得ることもできます。

事前連絡なしで、突然来られても大丈夫です。お気軽に参加してください。
いつでもお待ちしております。




2015年6月14日日曜日

「怒り」との関わりNO.7

今回は、「傾聴」について書きます。

「傾聴」に関しては、インターネットや本でもいろいろな方が書かれているので、ここでは、「準拠枠」について述べたいと思います。

例えば路上で一匹の子猫に出会ったとします。子猫を見て思ったり感じたりすること、また、行動は、人によってそれぞれ違います。Aという人は、かわいそうだと思う。Bという人は、かわいいと思う。Cという人は、かわいそうだけど自分には何もできないと思う。Dという人は、猫が嫌いである。A〜Dの4人の感じ方は、それぞれ違います。
「一匹の子猫と出会う」という同じ事象に出会っているのに、感じ方が違うのは、その人が使用している”メガネ”が違うからです。その人がそれまでに経験したことや出会った人、学習したこと、感じてきたことなどの違いから、その”メガネ”の見え方は人それぞれ違ってきます。この”メガネ”を心理学では「準拠枠」と呼んでいます。

ある事象に対して、相手にはどのように見えて、感じているのかを想像しながら「話を聴く」こと、すなわち、相手の準拠枠で聴くことを「傾聴」と言います。

子どもたちもそれぞれの準拠枠をもっています。子どもの準拠枠で話を聴こうとすることで、大人は「子どもにはどのように見えているのか、感じているのか」を想像しながら子どもの話を聴きます。大人の聴き方が変わると、子どもは今までより聴いてもらっていると感じると思います。そして、子どもに、「この大人に話してみよう」「話してみてもいいかな」と思ってもらえるのかもしれません。








2015年6月10日水曜日

「怒り」との関わりNO.6

NO.5の続きです。

嫌なことを言われて怒っている子どもに、「言われたとき、うれしかった?悲しかった?それとも何にも思わなかった?」と質問をします。このとき、「悲しい」等の第1次感情を答えることができずに黙っている子どももいます。

子どもが黙っている場合、子どもは以下のように思っているから「黙っている」と考えられます。①話して聞いてもらえない(分かってもらえない)。②どのように話したらいいか分からない。③自分がどのように感じているかが分からない。

①のとき
大人は「傾聴」に心がける必要があると思います。「傾聴」により、子どもは「この人に話してみよう」という気持ちになるかもしれません。傾聴については、次回述べます。

②のとき
子どもの話を聞くときに、紙(ポスター等の広さのあるもの)とマジックを用意します。紙に、子どもが話したことを時系列に大人が書いていきます。事実とその時の気持ち等も書きます。一通り書き終わったら、書いたものをもとに子どもとさらに詳しく話し合います。書き方の形式等は自由です。
この活動の利点は、とにかく子どもが自身の言葉を見つめ、その時の気持ちを捉えやすくなる、子どもの状況や気持ちなど、子どもの言っていることが大人にとって理解しやすくなる、話し合いの記録として残すことができる、ことが挙げられます。

③のとき
方法としては、②と同じです。違う点は、気持ちの変化に重きを置いて書いていくという点です。嫌なことを言われる前の気持ちにまで遡って聞き取って書いていくと、子どもは「自分の気持ち」に焦点を当てて思い出そうとするので、気持ちの変化に気づきやすくなると思います。

②と③を行うとき、相手の気持ちに対して子どもが想像したり思ったことは、ペンの色を変えて書き込みます。この作業で、子どもは「相手の気持ちを想像する」ことや相手を理解しようとすると経験をします。

この方法は、子どもの同意を得た言葉をそのまま記しているので、保護者に説明を求められたときにも有効であると思います。また、子ども同士のトラブル解決にも有効だと思います。

2015年6月3日水曜日

6月学習会の案内②

会場が決まりましたので、改めて案内します。

期日:6月27日(土)午前9時30分から11時30分まで
場所:宮崎市教育情報研修センター 1F レクレーション室

お待ちしております。

2015年5月30日土曜日

6月の学習会案内

皆さん、お元気ですか。
新年度が始まって2ヶ月が過ぎました。
暑さも厳しくなりはじめました。体調はいかがですか。

さて、6月の学習会は、次の通りです。
期日:6月27日(土)午前9時30分から11時30分まで
場所:決まり次第お知らせします。

本研究会は平成24年11月に始まりましたが、現在のように毎月行うようになったのは昨年の6月からです。ちょうど1年が経ちました。(ブログは11月からです)

この間、知り合いに紹介されたという方、12月に行った講演会の案内で会を知ったという方、ブログを見て参加された方など、少しずつ広がっています。

本研究会はスクールソーシャルワーカーや養護教諭、特別支援学級担任、教育社会学の研究者、通常学級の先生等、県内の先生方で不登校や家族支援が必要な児童生徒への支援・指導について学びそして語り合いを行っています。

県内の先生方(校種は問いません)やSSWの先生方で、悩みや関心のある方、お待ちしております。

尚、会についての質問やご相談については、本ブログの「自己紹介」にある「メール」を使ってください。

2015年5月24日日曜日

日本学校ソーシャルワーク学会第10回記念大会 福岡大会の案内

 日本学校ソーシャルワーク学会第10回記念大会が、7月4日(土)・5日(日)、福岡市博多区の福岡国際会場で開催されます。
 初日の午前中、基礎研修 が大会に先立って行われます。基礎研修は、「スクールソーシャルワーカーに求められるもの~学校現場が期待するスクールソーシャルワーカー~」というテーマで行われます。大会要項には基礎研修について「10 周年記念の本大会の基礎研修では今一度基本にもどり、学校運営の立場から「学校現場が 期待するスクールソーシャルワーカー」について語っていただき、あらためて「スクールソーシャルワーカーに求められるもの」について考え、学びを深める機会としたい」と書かれています。

  講師:丸山 涼子先生(大阪府寝屋川市立和光小学校元校長) 

    森原 清先生(山口県周南市立和田中学校校長) 
 コーディネーター:佐々木 千里先生(京都市教育委員会等SSWスーパーバイザー、日本学校ソーシャルワーク学会理事) 

午後から大会が始まり、開会式・基調報告・大会シンポジウムが行われます。


2日目は、午前が口頭発表(研究発表・実践発表)、午後は、課題別分科会です。分科会は、5つに分かれて行われます。



第 1 分科会 「児童生徒のいじめや校内暴力への対応を考える」
第2分科会「子どもの貧困対策とスクールソーシャルワーカー」
第3分科会「生活の困窮と生活支援−夜間中学校や定時制・通信制高校の取り組みから−」
第4分科会「学校ソーシャルワーク実践におけるコンサルテーションの意義と課題」
第5分科会「特別支援教育と学校ソーシャルワーク」

詳しくは、日本学校ソーシャルワーク学会 HPをご覧ください。会員以外でも参加できます。私も本日、参加申込をしました。





2015年5月23日土曜日

「怒り」との関わり NO.5

前回の続きです。

 子ども達は(大人も同様ですが)、自分の第二次感情の「怒り」は捉えることができても、第一次感情を捉えるができないことがよくあります。「B君は今A君に嫌なことを言われたので怒っているよね。言われたときどんな気持ちだったの?」とB君に質問すると、「ムカついたから」や「頭にきたから」と答えました。「ムカつく」や「頭にくる」というのは第一感情ではないので、さらに質問をします。「言われたとき、うれしかった?悲しかった?それとも何にも思わなかった?」と。このとき、「悲しい」と答える子どももいますが、答えることができずに黙っている子どももいます。後者については、次回述べたいと思います。
 前者の場合は、「悲しい気持ちだったんだね」とB君が捉えている感情を一緒に確認し、次に、B君がA君にどうしてほしいと思っているのかをB君に質問します。仮に、「もう言わないでほしい」とB君が言ったとします。その時は、B君に「そのことをA君に伝えてみようか」と言います。必要ならば、私がA君役になり、伝える練習をします。
 
 

 

2015年5月17日日曜日

「怒り」との関わり NO.4

今回は私がどのように子どもの「怒り」と関わっているかを述べてみたいと思います。

「怒り」は第二次感情であると言われます。第二次があればその前に第1次感情があります。第一次感情とは、「悲しさ」「寂しさ」等であることが多いと思います。例えば、A君がB君に、言葉によるちょっかいを出したとします。それもB君が言われたら嫌がる(気にする)言葉を。B君はやめてほしいと思っていましたが、「やめて」とは言えませんでした。しばらくして、B君が激しく怒った表情でA君に殴り掛かろうと近寄ってきました。このような場面は子どもの生活ではよくあります。
 B君の第二次感情は「激しく怒った表情」から「怒り」であることが容易に分かります。第一次感情は何でしょう。この場合の第一次感情は、「傷つく言葉を言われた」ことによる「悲しみ」であると思います。
 私が子ども同士のトラブルに遭遇し双方の話を聞いてみると、子ども達は自分の感情を捉えていないことが多くあります。

 子どもに話を聞く時は、「今A君を殴ろうとしていたけど、どんな気持ちだったの?先生に教えて。」とB君の気持ちや感情を問います。答えられない場合は「B君はA君を殴ろうとしていたよね。先生にはB君がとても怒っているように見えたけど、何かあったの?」と問います。これらの問いにB君が答えることを通して、B君自身が第二次感情を捉えることができます。

第一次感情については次回書きます。

 
 



ありがとうございました

5月の学習会を、宮崎市教育情報研修センターで行い、初参加者1名を含めて、4名の参加者でした。参加されたみなさん、ありがとうございました。6月もお待ちしています。

6月の学習の日時、場所は決まり次第お知らせします。

2015年4月21日火曜日

5月の学習会の案内

5月の学習会は、次の通りです。
期日:5月16日(土)午前9時30分から11時30分まで
場所:宮崎市教育情報研修センター 1F レクレーション室

お待ちしております。

2015年4月13日月曜日

ありがとうございました

4月の学習会を行いました。初参加の方2名を含めて、9名の参加でした。子どもへの指導や支援での悩みや実践、最近考えていることなど語り合いました。その後、「教育と医療」、「診断」などについて議論しました。
たくさんの参加、ありがとうございました。5月もお待ちしています。

次回は5月16日(土)午前9時30分〜11時30分、場所は未定です。

2015年4月4日土曜日

4月の学習会の案内

皆さん、お元気ですか。
いよいよ新年度が始まりました。
教職員に限らず、いろいろな職種でも同じだと思いますが、前年度の積み残しの仕事や感情や気持ち等(特に、モヤモヤを残したままの、いつまでも消えない)を残したまま新年度が始まります。

こんな時だからこそ、悩みや心配なこと、子どもへの指導や支援についてなど、一緒に話しませんか。もちろん、楽しみなことやがんばりたいことなども・・・

4月の学習会は、次の通りです。
期日:4月11日(土)午前9時30分から11時30分まで
場所:宮崎市教育情報研修センター 1F レクレーション室

お待ちしております。


「怒り」との関わり NO.3

金子書房から「児童心理」という本が毎月出ています。2014年11月号の特集が「子どもの怒り」というテーマでした。二つ目の論文に、大分大学の麻生良太准教授が書かれた「感情はどのように発達するのか」というのがあります。ここで述べられている発達段階と「感情」の発達について紹介します。


基本的感情から社会的感情まで
《おおよそ生後6ヶ月から1年》
基本的な感情(よろこび・驚き・悲しみ・嫌悪・恐れ)が見られる。
基本的な感情の表出は、養育者へのシグナルとしての機能があり、養育者がこのシグナルに適切に応答することが子どもと養育者との愛着といった情緒的な結びつきの形成につながり、幼児期以降の社会的適応へと導かれる。
《1歳半すぎ》
「てれ・羨望・共感」の感情が見られる。
自己意識の発達、特に見られる自分を意識することと関係している。
《2歳から3歳》「誇り・恥・罪」の感情が見られる。できる自分を誇りに思い自信をつける一方、できない自分を恥じて自信をなくすことも起こる。自己の感情についての認識の発達《2歳から3歳》自分の感情状態について自発的にしゃべることができる。他者の感情についての認識の発達《生まれたばかりの乳児》他の乳児につられて泣き出す「情動伝染」という現象《1歳ごろ》他者が表出する感情の意味を認識し、それを手がかりに自分の行動を決定する。《2歳から3歳》「よろこび・悲しみ・怒り」の基本的感情の表情であれば、2歳児の半数以上が適切な感情語をラベリングすることができる。《3歳》外的状況を踏まえて他者がどのような感情を生じるかについて認識することができる。他者が生じる感情と表情または外的状況の間に共通の因果関係が成り立つことを、「まもるべき・推奨するルール」として幼児期の子どもに教えることが求められる。感情についての認識《幼児期後期から児童期》・誰しもが同じ感情を生じるわけではない。なぜなら、その外的状況に対して友達は自分とは異なる好み・意図・欲求・信念をもっているから。・より個人的な情報(恥ずかしがりなどの内的特性やその人の過去の経験など)が、人が生じる感情に関係する。

《感情コンピテンスの発達》
人とのやりとりの中で、自分の感情が他者にどのような影響を与えるか学習する。その経験の積み重ねによって、自分や他者の感情をコントロールする仕方や感情の状態を理解する能力などの知識やスキルを蓄積していく。この知識やスキルを「感情コンピテンス」という。(具体的には、8つのスキルが紹介してあります。)

最後に「感情の発達の問題」として、次のようにまとめてあります。
「自分自身が生じる感情をどのように自覚的に認識するか、自分とは異なる他者が消じる感情をどのように認識するのか、そしてそれらの認識をスキルとして適用してどのように人間関係を築き維持するのか。総合的に考えていくことが感情の発達において重要なのである。

参考文献・引用文献
「児童心理」2014年11月号 金子書房 
 「感情はどのように発達するか」麻生良太(大分大学准教授)






2015年3月28日土曜日

「怒り」との関わりNO.2

金子書房から「児童心理」という本が毎月出ています。2014年11月号の特集が「子どもの怒り」というテーマでした。この特集で、「怒り」は正当な反応であること、また、「怒り」には「正当な『怒り』」と「居場所を失った暴走する『怒り』」があり、それらが脳の中でどのように生じるかが大河原美以教授(東京学芸大)によって書かれています。児童虐待や夫婦間暴力(DV)、家庭内暴力の問題は、「暴走する『怒り』」から生じる問題です。
加害を予防するために、「怒りや悲しみの表出を当然のものとして子どもに承認することの重要性をもっと認識する」必要があります。「封印されてきたがゆえに暴走する負情動は、親や教師から承認されることによってのみ自己に統合される。負情動が自己に統合された状態にある子どものたちのみが、認知による制御を学ぶことが可能」です。

参考文献・引用文献
「児童心理」2014年11月号 金子書房 
 「「怒り」という苦しみが生まれるところ」大河原美以(東京学芸大学教授)



2015年3月20日金曜日

学校と地域とのつながり

3月15日(日)に熊本市で、「地域と学校のつながりで作り出す子ども・家庭支援』」というテーマで話をさせて頂きました。宮崎市内で主任児童委員をされている方と二人で、学校・教師の立場と地域・主任児童委員の立場の、それぞれの立場で話をしました。このような機会を得たことで、「学校と地域の連携」や「地域の中での学校の役割」などを改めて考えることができました。また、主任児童委員や民生児童委員の活動等についても紹介することができました。
熊本で生まれた新たなつながりを本研究会にもつなげて、さらに学習を深めたいと思いました。くまもと子育て・虐待防止ネットワーク研究会の皆さん、ありがとうございました。

2015年3月8日日曜日

「怒り」との関わりNO.1

私たちの研究会で時々話題に上るのが、子どもの「怒り」との関わりについてです。他の研究会や研修会等でも同様です。事例報告や相談内容を聞きながら、「怒り」を出している子どもの苦しみ(適した言葉が見つかりません)や、それに関わる教師(大人)の指導の困難さについて、みんなで考えていく必要があると思っています。

そこで、「『怒り』との関わり」というテーマで、いろいろな本や論文等を紹介しながら、考えていきます。お付き合いください。



2015年3月7日土曜日

ありがとうございました

今日は3月の学習会でした。8名の参加があり、指導や支援に関する悩み等を出し合い、事例検討を行いました。参加された皆さん、ありがとうございました。

今日は、「コーヒーHAMASAKI」で、美味しいコーヒーを頂きながらの会となりました。ちなみに私は”ペルー”のコーヒーを注文しました。場所を提供してくださったマスターの濱崎氏には感謝です。


次回は4月11日(土)の午前9時30分から11時30分まで行います。場所は決まり次第お知らせします。



2015年3月3日火曜日

アタッチメントNO.18

玉井邦夫 著「学校現場で役立つ 子ども虐待対応の手引き」(明石書店)「第2部 虐待を防止するための方法 第6章 子どもへの対応」の、虐待を受けた子どもへの具体的な関わりについて紹介しています。今回は、「感情への気づきと表出を促すその他の手だて」について、紹介します。

感情への気づきを深めていかせるための手立て
・普段どおりに生活しているなかで、さまざまな感情について探索させることを常に心がける。「学校の中で一番いやなことは何か」「一番楽しいことは何か」等。
・子どもによっては、好き嫌いを明確に表現できない子どももいるので、練習する。
・日記のような活動で自分の感情を振り返る。
・自分が現在とらわれている感情を自覚できていない子どもに対しては、その子の声の調子や大きさ、姿勢、表情、言葉遣いなどを具体的に指摘し、そのような現れ方をしている感情とはこれこれの感情である、と説明する。

玉井邦夫 著「学校現場で役立つ 子ども虐待対応の手引き」(明石書店)の紹介は今回で終わりです。本書には、「子どもへの対応」以外にも、「保護者への対応」、「校内連携、関係機関との連携」など、虐待対応について詳しく書かれています。


2015年3月2日月曜日

アタッチメントNO.17

玉井邦夫 著「学校現場で役立つ 子ども虐待対応の手引き」(明石書店)「第2部 虐待を防止するための方法 第6章 子どもへの対応」の、虐待を受けた子どもへの具体的な関わりについて紹介しています。今回は、「人の工夫をすること」について、紹介します。

人の工夫をすること
子どもの感情爆発やパニックに対して対応できる人を配置することも重要であるが、そほんどの場合そんなことは望めないという条件で学校現場動いている。とすれば、「授業の組み方」や「事務仕事の役割分担」等、校内の連携で「フリーに動くことができる教員」を確保する努力が求められる。

担任以外が個別対応する場合の留意点
・子どもは担任と個別対応する人間との間を巧みにすり抜けて生活していくようになることも考えられる。そこで、子どもの訴えを担任にしっかりと伝える等の関係が、担任と個別対応する人間との間に必要である。

2015年3月1日日曜日

アタッチメントNO.16

玉井邦夫 著「学校現場で役立つ 子ども虐待対応の手引き」(明石書店)「第2部 虐待を防止するための方法 第6章 子どもへの対応」の、虐待を受けた子どもへの具体的な関わりについて紹介しています。今回は、「場の工夫をすること」について、紹介します。

「場の工夫をすること」
学校生活というのは虐待を受けた子どものトラウマが刺激されてしまう事態はいくらでもある。その意味では、感情や行動の爆発を起こさせないようにすることは、初めのうちは難しいので、「起こしても最善の対応ができるようにする」工夫が必要である。

パニックを起こした子どもには、できる限り「周囲への二次的な被害を出さずにすむ場所」を提供する必要がある。この手続きを「タイムアウト」という。子どもをその場から離すことができないときは、周囲が本人から離れてあげる。

タイムアウトのねらい
・子どものパニックを惹起した要因から引き離すことができる。
・「誰にけがをさせた」「何を壊した」等の二次的・三次的な問題を防ぐことができる。

タイムアウトとは罰として行うのではない。
パニックを起こすきっかけになった刺激から遠ざけて、子ども自身と周囲への危害を防ぎながら、落ち着きを待つ、という考え方に立っている。
なので、タイムアウトすることが目的であり、タイムアウトしている間に説教をすることが目的ではない。

タイムアウトの方法がうまくいくようであれば、安全基地を作ることも考えられる。安全基地に行って、コントロールを失いそうになる自分を沈静化することを認めることで、集団のなかでの大きな失敗を未然に防ごうとする方法である。

安全基地を作る場合の留意点
・必要以上の壊れやすい備品を置かない。

2015年2月28日土曜日

アタッチメントNO.15

玉井邦夫 著「学校現場で役立つ 子ども虐待対応の手引き」(明石書店)「第2部 虐待を防止するための方法 第6章 子どもへの対応」に、虐待を受けた子どもへの具体的な関わりについて書かれています。

前回は子どもの「自己表出を促す手立て」として、「感情爆発への対応」について紹介しました。今回は、「セルフコントロールの回復に向けて」として、子どもがセルフコントロールを行うために必要なことを紹介します。

セルフコントロールを行うためには、自分の内的な状態に対する自覚が必要であり、その自覚は、何らかの形で言語化されていなければならない。言語化できない感情は統制できない。前回、感情や行動の暴発のあとでも、教師が子どもの内的状態を言語化することが大切であると述べたのは、こうした関わりがセルフコントロールをつけていくための土台となるからである。

子どもの年齢が幼かったり、言語発達の問題があったりして、言語化が困難である場合は、絵を描いたり、体を動かしたりするなど、社会的に許容されうる行動に置き換えていく指導が必要である。

2015年2月26日木曜日

3月学習会の案内 ゲストは新坂英伸さん(宮崎日日新聞)

「宮崎県内で深刻化する子どもの貧困の実態を掘り起こし、課題や展望を探った「だれも知らない~みやざき子どもの貧困」(Miyanichi e-press)」が出版されました。先日立ち寄った書店にも平積みされていました。

3月7日の学習会では、ゲストとして、宮崎日日新聞の新坂英伸さんをお呼びして議論に参加していただきます。新坂英伸さんは、子どもの貧困に関する連載「誰も知らない〜みやざき子どもの貧困」を担当された方です。

この学習会は、校種を問わず、宮崎県内の教職員とSSW(スクールソーシャルワーカー)で作っている会なので、教職員かSSWの方ならどなたでも参加できます。お気軽に参加してください。お待ちしております。

2015年2月23日月曜日

アタッチメントNO.14

玉井邦夫 著「学校現場で役立つ 子ども虐待対応の手引き」(明石書店)「第2部 虐待を防止するための方法 第6章 子どもへの対応」に、虐待を受けた子どもへの具体的な関わりについて書かれていますので、紹介します。

前回は子どもの「自己表出を促す手立て」として、子どもの言動のメカニズムを理解することについて書きました。今回もその続きで「感情爆発への対応」について紹介します。

子どもに適切な感情表出を獲得させるためには、子どもが起こす感情爆発を受け止め、その子の中で生じていたであろう感情を言葉にして返していくことが必要である。

前回も紹介しましたが、「受け止めるというのは子どもの意のままにさせる」ということではありません。

続けます。
「感情を言葉にして返していく」ときに、「『問題性』と『人間性』を分離して考えるという発想が欠かせない。虐待を受けることで、子どもには「問題行動を起こさせてしまう心理機制」が形成される。大人はこうした「問題性」=「問題につながる心理機制」を扱うことになるが、ともすると子どもの「人間性」そのものを否定してしまうことになりかねない。「悪い行為をした」という指摘が「お前は悪い人間だ」という指摘になってしまうのである。

「子どもがもった何らかの感情や欲求」そのものが悪いのではなく、その表出の仕方が悪いのである。だから、子どもと大人が力を合わせて「悪い表出の仕方」を生み出す心理機制に対処する、という図式を作ることが必要である。
言葉掛け例:「○○に〜と言われたことで急に腹を立てたように見えた」

2015年2月22日日曜日

アタッチメントNO.13

今回も、玉井邦夫 著「学校現場で役立つ 子ども虐待対応の手引き」(明石書店)
「第2部 虐待を防止するための方法 第6章 子どもへの対応」に、虐待を受けた子どもへの具体的な関わりについて書かれていますので、紹介します。

前回述べた「リミットテスティング」への対応について、次のように書かれています。
 子どもの言動のメカニズムを理解することが重要である。虐待を受けた子どもの場合、他の子どもにはなんでもないようなことを脅威に感じてしまい、安全感を奪われてさまざまな不適応行動が現れることも考えられる。その場合、教師としては、「こんなことぐらいでどうして」と考えてしまうのではなく、「こういう刺激にこんな反応をするのか」と理解していくことが大切である。
 
 学校を含めて子どもが生活する場は社会的な場面であるから、無制限の自由などは誰にも与えられていない。虐待を受けてきた子どもへの対応でも、行動制約は必要。
「受容的態度」ということが言われるが、「受容とは放任のことではない。(略)その行為に至るまでの子どもの感情は認めるべきである。しかし、行為の不適切さにはリアリティをもって臨む」必要がある。

 その子どもに求める最低限度の社会規範は、子どもの能力や心理的・行動的回復の度合いによっても異なるが、基本線としては、「自己への危害」「他者への危害」「器物の意図的な破壊」は制止されるべきである。これは、個別空間であっても同じである。

 「絶対に叱らない」という対応は不可能である。ただし、「叱る」とは懲罰を与えることではない。どうしても許容されない言動は制止しなければならない、ということである。ルールを明確に提示することの方が子どもの行動の安定は図られる。

 制止する場合、子どもの言動の背後にある心性を理解していることが重要である。社会的な基準から見て許されないのは行為であって、その行為に結びついてしまった感情は認めることが必要である。感情を、社会的に許される形で表出させることにつなげていくことが教育の仕事である。言葉かけ例:「そうやって、うんと叱られたらいつものことだって安心できるのかな。でも、別のやり方もあるよ。」

2015年2月15日日曜日

アタッチメント NO.12

今回も、玉井邦夫 著「学校現場で役立つ 子ども虐待対応の手引き」(明石書店)
「第2部 虐待を防止するための方法 第6章 子どもへの対応」に、虐待を受けた子どもへの具体的な関わりについて書かれていますので、紹介します。
 
「安心感と安全感」をもたせるための手立てとして紹介されている項目を挙げます。
 ○ 注目をあたえること  ○ 感情を汲み取った言語化  ○ 行動化に先回りした言語指示  ○ 肯定形の目標設定  ○ リミットテスティングの理解

それぞれについて、簡単に説明します。
○ 注目をあたえること
   子どもが、当たり前のことをことを当たり前にできているときに、そのことをきちんと認める。これには、子どもの行動に注目することで、子どもの行動を望ましい方向に誘導しようという狙いがあります。「問題行動」の多い子どもに対しては、「問題行動」にばかり大人が注目してしまいます。大人が「また何かしでかすのではないか」という姿勢が強まれば、子どもはそうした大人の気持ちを感じ取り、かえって失敗への不安を強めてしまう。また、登下校の場面や休み時間などに何気なく声をかけることで、子どもに「自分が受け入れられているし気にかけてもらえているという感覚をもたせる」ことも大切である。


○ 感情を汲み取った言語化
   子どもが示す言語の背後にあると思われる感情について、「汲み取った内容を言語化「わざと起こらせているみたいに見えるから怒らないよ」等)して伝えることは、子どもが理解してもらえているという感覚を獲得していく上で重要である。
  
○ 行動化に先回りした言語指示 
   子どもにこれから起こりうるかもしれない事態に対する予測のための手がかりを与えるために、「今度の時間は体育だけど、この前も途中でイライラしてトラブルになったよね。今日、授業中にイライラしたらどうする?」のような「予測の恐言葉かけ」を続ける。これによって「イライラしたら職員室にくる」といった行動を子どもがとれるようになれば、それは大きな前進です。
また、大人が、「今のあなたはこういう感情状態のように見える」「あなたの言い方を聴いていると、〜の気持ちのように聞こえる」といった言葉を重ねることで、内省への手がかりを提示することができる。

○ 肯定形の目標設定 
   子どもが学校生活の中でトラブルを起こしたとき、「今度〜になったら〜してみよう」という肯定形の目標を設定する。肯定形の目標設定は、たとえそれが失敗しても、「その方法ではだめだったから次を考える」という「前進感」をもたせることができる。これが成功の可能性を信じてもらえるという思いにつながり、学校生活に対する安心感や安全感に結びつくと考えられる。
 
○ リミットテスティングの理解
   子どもが学校生活のなかで、「どこまでやったら『慣れ親しんだ』虐待的な関係が出てくるのか」と確かめようとする行動傾向のことであり、子どもが教員との間に一定の信頼関係を築き始めたころに示される行動である。具体的には、ひどく挑発的で、叱責されることを求めているかのように感じられる言動である。
 対応は、次回紹介します。
   

2015年2月9日月曜日

3月学習会の案内

3月の学習会の会場が決定しましたので、改めて案内します。

日時 3月7日(土)9:30 〜 11:30
会場 コーヒーHAMASAKI  住所 宮崎市柳丸町153-1 パティオ柳丸C1-7

今回の会場は、オーナーのご厚意で、「コーヒーHAMASAKI」にて
開催させていただきます。

自家焙煎のおいしいコーヒーを飲みながら、お話ししませんか。

場所等の、お店についての詳しい情報は、「コーヒーHAMASAKI」
で検索してください。

2015年2月8日日曜日

ありがとうございました

昨日の学習会は6名の参加で、攻撃的な行動をしてしまう子どもとの関わりを中心に、事例検討を行いました。教育社会学者の杉尾先生にも参加していただいたことで、議論が深まり、新たな視点が加わりました。杉尾先生には、今後も参加していただくことになりました。
次回の学習会は、3月7日(土)です。場所は未定です。ゲストとして、宮崎日日新聞の新坂英伸さんをお呼びして議論に参加していただきます。新坂英伸さんは、子どもの貧困に関する連載「誰も知らない〜みやざき子どもの貧困」を担当された方です。
この学習会は、校種を問わず、宮崎県内の教職員とSSW(スクールソーシャルワーカー)で作っている会なので、教職員かSSWの方ならどなたでも参加できます。お気軽に参加してください。お待ちしております。

2015年2月5日木曜日

アタッチメントNO.11

前回に続き、玉井邦夫 著「学校現場で役立つ 子ども虐待対応の手引き」(明石書店)
「第2部 虐待を防止するための方法 第6章 子どもへの対応」に、虐待を受けた子どもへの具体的な関わりについて書かれていますので、紹介します。

2 安全であること
  学校が子どもにとって安全なところであることを伝えるためには、「失敗や自己表出に対する安心感や安全感を子どもが感じることができる雰囲気が教室の中に必要」です。「安心感や安全感を子どもが感じることができる雰囲気」を作るにはユーモアも大切ですが、気を付けなければなりません。それは、虐待を受けた子どもの自己評価はきわめて低められていることを考える必要があるからです。「馬鹿にする」「笑いものにする」といったパターンの関わりはユーモアにはならず、これらのパターンがユーモアとして受け止められるには、相当の自己信頼が必要である、と書かれています。また、こうした雰囲気作りは、「子どもへの個別的な対応というよりも学級運営の基本的な視点」とあります。
次に、「安心感や安全感」は「子どもがこれから起こることに対して見通しをもつことができることによっても支えられる」、「子どもへの対応方針が教職員集団で統一されている」ことが肝要だと述べられています。
 最後に、「行動化」について書かれています。「行動化」とは、虐待を受けた子どもがしばしば起こす集団生活の中でのトラブルのことです。これは、子どもが自分の感情をもてあましたときに、行動にして表すことを意味しています。「行動化」への対応としては、①学校が安全であることを伝えるチャンスであると考える②懲罰を受けることが「責任をとる」ことではなく、「どうすればよかったのかを考えることが『責任をとる』である」ということを伝える、とあります。その際、「問題行動」に対して、「どうして」と問いつめるよりも、「こんなふうに感じているように見えた」「誰々のこの言葉にカッときたように見えた」と指摘する方が有効である、とあります。

2015年2月4日水曜日

杉尾先生の紹介

7日(土)は学習会です。今月も事例検討を行います。ゲストとして、兵庫教育大学名誉教授 杉尾宏先生(教育社会学)に参加していただきます。杉尾先生が書かれた本の中から、私が所持している本を紹介します。

 「教師の日常生活  ■心やさしきストラテジー教師に捧ぐ」北大路書房(1988年初版)

 「教育コミュニケーション論 『関わり』から教育を問い直す」北大路書房(2011年初版)

たくさんの参加をお待ちしております。
  

2015年1月28日水曜日

お待ちしています

次回の学習会は、2月7日(土)午前9時30分から11時30分までを予定しています。
場所は宮崎市教育情報研修センター1Fレクレーション室です。
事例検討や指導上の悩みを出し合ったりしたいと思います。
さらに、ゲストとして、兵庫教育大学名誉教授 杉尾宏先生(教育社会学)をお呼びして、一緒に参加していただく予定です。たくさんの参加をお待ちしております。
尚、当日は研修センターの利用者が多い、ということでした。時間に余裕を持ってお集まりください。

インフルエンザがまだまだ流行しています。ご自愛ください。

2015年1月18日日曜日

2月の学習会案内

2月の学習会は、2月7日(土)に行います。2月もゲストをお呼びしたいと思います。場所等は、決まり次第、案内します。インフルエンザが大流行です。皆さん、ご自愛ください。

ありがとうございました

17日(土)に第11回学習会を行いました。7名の方に参加していただきました。
校内支援体制や子どもの支援についての悩みなどが出され、それについて、みんなで対策を考えました。
コスモス会からも参加していただき、話し合いが深まりました。また、新しいつながりもできました。
とても充実した学習会になりました。参加された皆さん、ありがとうございました。

2015年1月14日水曜日

1月の学習会の案内

みなさん、お元気ですか。
11日ぶりの更新です。
今週の土曜日9時30分から11時30分まで、いつもの宮崎市教育情報研修センターで学習会を行います。今回は不登校の親の会「コスモス会」の方をお呼びしています。いつもの事例検討や情報交換に一緒に入ってもらうことになっています。たくさんの参加をお待ちしております。

2015年1月3日土曜日

アタッチメントについて NO.10

昨年の11月12日から12月7日まで、「アタッチメント障がい」や「反応性愛着障がい」の状態や診断基準を書いてきました。今回からは対応について述べたいと思います。
いろいろな書籍を参考にして書きますので、その都度参考文献を掲載します。

玉井邦夫 著「学校現場で役立つ 子ども虐待対応の手引き」(明石書店)
「アタッチメント障がい」や「反応性愛着障がい」のある子どもへの対応の前に、本書に虐待を受けた子どもへの具体的な関わりについて書かれていますので、先に紹介します。

「第2部 虐待を防止するための方法 第6章 子どもへの対応」
1 子どもへの対応の基本的な姿勢と視点
  虐待に関する専門書に書かれているような心理治療的介入を試みようとしても、人的にも物理的にも無理である。
 【学校が基本的にもち合わせなければならない姿勢とは】
 ① できることを真摯にする。
   状況が困難になれば「できないこと」にばかり目を奪われ、「何もできない」と思ってしまう。
 ② 「常に変動するリスクを扱っている」ということの理解をする。
   変動するリスクに対応するために、機関間の連携による不断のケース評価が必要である。
 ③ 校内及び校種間の連携が不可欠である。
   対応が長期間にわたることが多いので、校内での役割や責任の分担が明確でなければ、担任や生徒指導担当者等の消耗を招くだけである。

【子どもへの対応の視点】
 関わりを通して、子どもの自己イメージと他者イメージを回復させていくことが可能となる。理想を言えば、学校教育から巣立つ段階で、子どもが「こんな大人になりたい」と感じるモデルを教職員のなかに見いだすことができればいちばんである。子どもが、自分は変わることができたのだという感覚をもつことできるようにすることが最終的な目標である。

そのために、・・・
 学校は安全な場所であり、教職員は筋の通った交渉が可能な相手であるということ、学校にいる限りは虐待行為にはさらされないということを伝える。
 子どものなかで渦巻いている怒りや恐怖といった否定的な感情を含めて、周囲から許容されるようなやり方で気持ちを表現することを教える。
 望ましい対人的なやりとりのやり方を学習させる。
 セルフコントロールを獲得あるいは回復させていく指導が重要となる。

2015年1月1日木曜日

謹賀新年

2015年のはじまりです。
今年もよろしくお願いします。

今年の最初の研究会は17日(土)です。
お待ちしています。


 4月の研究会のご案内です。 日時:4月13日(土)16時から18時 場所:アオシマコーヒー 住所:宮崎市青島2丁目6-5 青島BAR 2F 電話:080-5602-2788 皆さん、お気軽にお越しください。