2015年2月22日日曜日

アタッチメントNO.13

今回も、玉井邦夫 著「学校現場で役立つ 子ども虐待対応の手引き」(明石書店)
「第2部 虐待を防止するための方法 第6章 子どもへの対応」に、虐待を受けた子どもへの具体的な関わりについて書かれていますので、紹介します。

前回述べた「リミットテスティング」への対応について、次のように書かれています。
 子どもの言動のメカニズムを理解することが重要である。虐待を受けた子どもの場合、他の子どもにはなんでもないようなことを脅威に感じてしまい、安全感を奪われてさまざまな不適応行動が現れることも考えられる。その場合、教師としては、「こんなことぐらいでどうして」と考えてしまうのではなく、「こういう刺激にこんな反応をするのか」と理解していくことが大切である。
 
 学校を含めて子どもが生活する場は社会的な場面であるから、無制限の自由などは誰にも与えられていない。虐待を受けてきた子どもへの対応でも、行動制約は必要。
「受容的態度」ということが言われるが、「受容とは放任のことではない。(略)その行為に至るまでの子どもの感情は認めるべきである。しかし、行為の不適切さにはリアリティをもって臨む」必要がある。

 その子どもに求める最低限度の社会規範は、子どもの能力や心理的・行動的回復の度合いによっても異なるが、基本線としては、「自己への危害」「他者への危害」「器物の意図的な破壊」は制止されるべきである。これは、個別空間であっても同じである。

 「絶対に叱らない」という対応は不可能である。ただし、「叱る」とは懲罰を与えることではない。どうしても許容されない言動は制止しなければならない、ということである。ルールを明確に提示することの方が子どもの行動の安定は図られる。

 制止する場合、子どもの言動の背後にある心性を理解していることが重要である。社会的な基準から見て許されないのは行為であって、その行為に結びついてしまった感情は認めることが必要である。感情を、社会的に許される形で表出させることにつなげていくことが教育の仕事である。言葉かけ例:「そうやって、うんと叱られたらいつものことだって安心できるのかな。でも、別のやり方もあるよ。」

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