2015年2月5日木曜日

アタッチメントNO.11

前回に続き、玉井邦夫 著「学校現場で役立つ 子ども虐待対応の手引き」(明石書店)
「第2部 虐待を防止するための方法 第6章 子どもへの対応」に、虐待を受けた子どもへの具体的な関わりについて書かれていますので、紹介します。

2 安全であること
  学校が子どもにとって安全なところであることを伝えるためには、「失敗や自己表出に対する安心感や安全感を子どもが感じることができる雰囲気が教室の中に必要」です。「安心感や安全感を子どもが感じることができる雰囲気」を作るにはユーモアも大切ですが、気を付けなければなりません。それは、虐待を受けた子どもの自己評価はきわめて低められていることを考える必要があるからです。「馬鹿にする」「笑いものにする」といったパターンの関わりはユーモアにはならず、これらのパターンがユーモアとして受け止められるには、相当の自己信頼が必要である、と書かれています。また、こうした雰囲気作りは、「子どもへの個別的な対応というよりも学級運営の基本的な視点」とあります。
次に、「安心感や安全感」は「子どもがこれから起こることに対して見通しをもつことができることによっても支えられる」、「子どもへの対応方針が教職員集団で統一されている」ことが肝要だと述べられています。
 最後に、「行動化」について書かれています。「行動化」とは、虐待を受けた子どもがしばしば起こす集団生活の中でのトラブルのことです。これは、子どもが自分の感情をもてあましたときに、行動にして表すことを意味しています。「行動化」への対応としては、①学校が安全であることを伝えるチャンスであると考える②懲罰を受けることが「責任をとる」ことではなく、「どうすればよかったのかを考えることが『責任をとる』である」ということを伝える、とあります。その際、「問題行動」に対して、「どうして」と問いつめるよりも、「こんなふうに感じているように見えた」「誰々のこの言葉にカッときたように見えた」と指摘する方が有効である、とあります。

2015年2月4日水曜日

杉尾先生の紹介

7日(土)は学習会です。今月も事例検討を行います。ゲストとして、兵庫教育大学名誉教授 杉尾宏先生(教育社会学)に参加していただきます。杉尾先生が書かれた本の中から、私が所持している本を紹介します。

 「教師の日常生活  ■心やさしきストラテジー教師に捧ぐ」北大路書房(1988年初版)

 「教育コミュニケーション論 『関わり』から教育を問い直す」北大路書房(2011年初版)

たくさんの参加をお待ちしております。
  

2015年1月28日水曜日

お待ちしています

次回の学習会は、2月7日(土)午前9時30分から11時30分までを予定しています。
場所は宮崎市教育情報研修センター1Fレクレーション室です。
事例検討や指導上の悩みを出し合ったりしたいと思います。
さらに、ゲストとして、兵庫教育大学名誉教授 杉尾宏先生(教育社会学)をお呼びして、一緒に参加していただく予定です。たくさんの参加をお待ちしております。
尚、当日は研修センターの利用者が多い、ということでした。時間に余裕を持ってお集まりください。

インフルエンザがまだまだ流行しています。ご自愛ください。

2015年1月18日日曜日

2月の学習会案内

2月の学習会は、2月7日(土)に行います。2月もゲストをお呼びしたいと思います。場所等は、決まり次第、案内します。インフルエンザが大流行です。皆さん、ご自愛ください。

ありがとうございました

17日(土)に第11回学習会を行いました。7名の方に参加していただきました。
校内支援体制や子どもの支援についての悩みなどが出され、それについて、みんなで対策を考えました。
コスモス会からも参加していただき、話し合いが深まりました。また、新しいつながりもできました。
とても充実した学習会になりました。参加された皆さん、ありがとうございました。

2015年1月14日水曜日

1月の学習会の案内

みなさん、お元気ですか。
11日ぶりの更新です。
今週の土曜日9時30分から11時30分まで、いつもの宮崎市教育情報研修センターで学習会を行います。今回は不登校の親の会「コスモス会」の方をお呼びしています。いつもの事例検討や情報交換に一緒に入ってもらうことになっています。たくさんの参加をお待ちしております。

2015年1月3日土曜日

アタッチメントについて NO.10

昨年の11月12日から12月7日まで、「アタッチメント障がい」や「反応性愛着障がい」の状態や診断基準を書いてきました。今回からは対応について述べたいと思います。
いろいろな書籍を参考にして書きますので、その都度参考文献を掲載します。

玉井邦夫 著「学校現場で役立つ 子ども虐待対応の手引き」(明石書店)
「アタッチメント障がい」や「反応性愛着障がい」のある子どもへの対応の前に、本書に虐待を受けた子どもへの具体的な関わりについて書かれていますので、先に紹介します。

「第2部 虐待を防止するための方法 第6章 子どもへの対応」
1 子どもへの対応の基本的な姿勢と視点
  虐待に関する専門書に書かれているような心理治療的介入を試みようとしても、人的にも物理的にも無理である。
 【学校が基本的にもち合わせなければならない姿勢とは】
 ① できることを真摯にする。
   状況が困難になれば「できないこと」にばかり目を奪われ、「何もできない」と思ってしまう。
 ② 「常に変動するリスクを扱っている」ということの理解をする。
   変動するリスクに対応するために、機関間の連携による不断のケース評価が必要である。
 ③ 校内及び校種間の連携が不可欠である。
   対応が長期間にわたることが多いので、校内での役割や責任の分担が明確でなければ、担任や生徒指導担当者等の消耗を招くだけである。

【子どもへの対応の視点】
 関わりを通して、子どもの自己イメージと他者イメージを回復させていくことが可能となる。理想を言えば、学校教育から巣立つ段階で、子どもが「こんな大人になりたい」と感じるモデルを教職員のなかに見いだすことができればいちばんである。子どもが、自分は変わることができたのだという感覚をもつことできるようにすることが最終的な目標である。

そのために、・・・
 学校は安全な場所であり、教職員は筋の通った交渉が可能な相手であるということ、学校にいる限りは虐待行為にはさらされないということを伝える。
 子どものなかで渦巻いている怒りや恐怖といった否定的な感情を含めて、周囲から許容されるようなやり方で気持ちを表現することを教える。
 望ましい対人的なやりとりのやり方を学習させる。
 セルフコントロールを獲得あるいは回復させていく指導が重要となる。

 4月の研究会のご案内です。 日時:4月13日(土)16時から18時 場所:アオシマコーヒー 住所:宮崎市青島2丁目6-5 青島BAR 2F 電話:080-5602-2788 皆さん、お気軽にお越しください。