2015年1月3日土曜日

アタッチメントについて NO.10

昨年の11月12日から12月7日まで、「アタッチメント障がい」や「反応性愛着障がい」の状態や診断基準を書いてきました。今回からは対応について述べたいと思います。
いろいろな書籍を参考にして書きますので、その都度参考文献を掲載します。

玉井邦夫 著「学校現場で役立つ 子ども虐待対応の手引き」(明石書店)
「アタッチメント障がい」や「反応性愛着障がい」のある子どもへの対応の前に、本書に虐待を受けた子どもへの具体的な関わりについて書かれていますので、先に紹介します。

「第2部 虐待を防止するための方法 第6章 子どもへの対応」
1 子どもへの対応の基本的な姿勢と視点
  虐待に関する専門書に書かれているような心理治療的介入を試みようとしても、人的にも物理的にも無理である。
 【学校が基本的にもち合わせなければならない姿勢とは】
 ① できることを真摯にする。
   状況が困難になれば「できないこと」にばかり目を奪われ、「何もできない」と思ってしまう。
 ② 「常に変動するリスクを扱っている」ということの理解をする。
   変動するリスクに対応するために、機関間の連携による不断のケース評価が必要である。
 ③ 校内及び校種間の連携が不可欠である。
   対応が長期間にわたることが多いので、校内での役割や責任の分担が明確でなければ、担任や生徒指導担当者等の消耗を招くだけである。

【子どもへの対応の視点】
 関わりを通して、子どもの自己イメージと他者イメージを回復させていくことが可能となる。理想を言えば、学校教育から巣立つ段階で、子どもが「こんな大人になりたい」と感じるモデルを教職員のなかに見いだすことができればいちばんである。子どもが、自分は変わることができたのだという感覚をもつことできるようにすることが最終的な目標である。

そのために、・・・
 学校は安全な場所であり、教職員は筋の通った交渉が可能な相手であるということ、学校にいる限りは虐待行為にはさらされないということを伝える。
 子どものなかで渦巻いている怒りや恐怖といった否定的な感情を含めて、周囲から許容されるようなやり方で気持ちを表現することを教える。
 望ましい対人的なやりとりのやり方を学習させる。
 セルフコントロールを獲得あるいは回復させていく指導が重要となる。

2015年1月1日木曜日

謹賀新年

2015年のはじまりです。
今年もよろしくお願いします。

今年の最初の研究会は17日(土)です。
お待ちしています。


2014年12月31日水曜日

ありがとうございました

今年(2014年)も残すところ、2時間を切りました。

今年は私たちの研究会にとって、大きな一歩を踏み出した年でした。
成果を述べてみたいと思います。
 ① 6月からの月1回の実施
 ② 公益財団法人日本教育公務員弘済会宮崎支部様からのグループ研修助成金交付
 ③ 講演会の開催
 ④ 宮崎市内の小中学校への講演会案内の送付
 ⑤ ブログ開始
毎回、それぞれの先生が子どもへの指導や家族支援に関する悩みを語りました。これまでに出会った子どものことや、前日(金曜日)に起きた事例への対応策など様々な内容について語り合い、学び合うことができました。
グループ研修助成金を頂いたことで、講演会を開催することができました。講演会を開催することで、宮崎市教育委員会様より名義後援を頂き、宮崎市内の全小中学校に講演会の案内を行うことができました。講演会の開催を通して、この研究会を多くの方に知って頂くことができました。
最後に、ブログを始めたことは、研究会にとっても、私にとっても初めてのことでした。ブログを通して、講演会や学習会の細かな案内をすることができました。

この1年、多くの方にお世話になりました。ありがとうございました。

2015年も月1回の実施を目指します。1月の研究会は、17日にゲストを招いて行います。宮崎県内の教職員、SSWの方でしたらどなたでも参加可能です。気軽に参加してください。いつでもお待ちしております。(子どもの指導や家族支援等で困ったときや相談したいとき、話を聞いてほしいと思ったときだけの参加でも歓迎です。)

来年も、皆様にとって幸せな1年になりますように。




講演会の感想 と 第2弾 不登校ゼロの達成(明治図書2006年3月初版・2007年3月再版)

講演会の感想を紹介します。

「SSWに強い興味があり、ご縁があり本日参加させていただきました。うなづく場面がたくさんあり、子育て経験と、九州保健福祉大学での心理と社会福祉士の通信課程が終わったところで、これから自分に何ができるかと考えていたところでした。広い視野や資質も必要だと思いますので、これからも自分の子育てを通して実生活に生かしていきたいと思いました。ありがとうございました。」

「不登校の子どもへの対応について今まで不勉強でした。今回初めて参加させて頂いてとても勉強になりました。」いい機会を与えてくださいまして感謝しています。是非、学校に持ち帰り、動いてみようと思います。」

「カウンセリングは内省を促すもの」という言葉が響きました。(後略)

不登校ゼロの達成(明治図書2006年3月初版・2007年3月再版)の第Ⅳ章では、再登校成功、不登校ゼロといった成果から導き出された方法論として「不登校ゼロのための8か条」がまとめられています。
あとがきでは、現在、結果として不登校ゼロといった実際に成果を上げているのは、6段階を踏みながらその子どもを「育む」ことを基本とした支援であると書かれています。最後に、不登校児への対応に必要なこととして、次の文を紹介して、第2弾を終了したいと思います。
「それは、子どもが夢をもちいろいろなことに正面から向かっていけるようにいろいろなことを身につけること、育むことであると思います。」

2014年12月25日木曜日

講演会の感想 と 第2弾 不登校ゼロの達成(明治図書2006年3月初版・2007年3月再版)

講演会の感想を紹介します。

「(略)欠席時の対応マニュアルもとても参考になりました。次年度の提案で頑張って声をあげたいです。」

「(略)アセスメント、一人一人を分析して適切なプログラムを立てること、学校全体で取り組むことが大切だと思いました。」

「(略)『寄り添うだけではなく行動でも』という話があったが、まさにその面が学校で不足している部分だと思う。自分は特別支援教育コーディネーターをしているが、応用行動分析という理論がバックにあると、先生や保護者、子どもたちとも、話がしやすいだろうと思う。」


「(略)思うことがいっぱいでなかなか言葉になりませんが、貴重ないい充実した時間となり、自分へのいいエネルギーになりました。ありがとうございました。」

小野先生の著書である「不登校ゼロの達成」(明治図書2006年3月初版・2007年3月再版)の第Ⅲ章「不登校の解決事例の実際」では、個別再登校支援計画を適用した実際の不登校解決事例が述べられています。事例は次の4つです。
 1 要求語が言えないことが原因の事例(小3男子)
   「回避」を「育む」に転換した再登校支援
 2 いじめにより神経症症状を起こした事例(中3女子) 
   特別扱いをしない再登校支援
 3 学習の遅れが原因の事例(小6男子)
   教育支援センターとの連携による再登校支援
 4 喘息から生じた怠学傾向のある事例(中1男子)
   学級担任主体の継続登校支援

 どの事例でも、様々なデータと詳細な記述で、教師としてどのように関わればよいかが分かりやすく書かれています。




2014年12月23日火曜日

講演会の感想 と 第2弾 不登校ゼロの達成(明治図書2006年3月初版・2007年3月再版)

講演会の感想の一部を紹介します。

「小野先生の講義は数回聞きましたが、結果を出せる実践なので、とても興味をもっています。専科を担当していろいろな子どもさんとふれ合う中で、これまでの経験だけでは授業への集中や学力保障が難しくなる傾向の現状を日々感じています。データの取り込みや、明確に分かりやすい分析の仕方など勉強になりました。(略)客観的な調査・分析によって、対応の仕方が分かり、今後の実践につなげていきたいです。」

「不登校の子どもの学習面だけでなく、体力面も注目しなければならないこと、また、家庭内での関わり方を変え、回避行動を容認しない、不安を低いところから段階を踏んで経験していくことによって、子どもが自己適用でき、自分自身のセルフコントロールができるようになるというのが分かりました。ソーシャルワークの勉強中ですが、このような先生のお話をお聞きすることができ、今後の学習や実践に活かしたいと思います。」

小野先生の著書紹介第2弾では、不登校ゼロの達成(明治図書2006年3月初版・2007年3月再版)を紹介します。
本書は、
第 Ⅰ章  不登校ゼロの達成と維持
第Ⅱ章 不登校の個別支援計画の進め方
第Ⅲ章   不登校の解決事例の実際
第Ⅳ章   不登校ゼロのための8か条 
の4つの章からできています。

第Ⅰ章では、第1弾で紹介したA町での不登校減少プロジェクトの説明や経過、その後の結果が書かれています。第2章では、不登校の支援計画の必要性、支援計画のつくり方と進め方ということで、「6つのステップ」が書かれています。6つのステップとは、
ステップ1:再登校支援体制確立会議—保護者の明確な依頼を受けて教師は動きましょう
ステップ2:個別支援計画決定会議—その子にあった再登校計画を立てよう
ステップ3:再登校個別支援計画実施状況点検会議
ステップ4:再登校予定日事前会議
ステップ5:再登校状況点検会議
ステップ6:計画的介入終結会議 のことを指します。

詳しいことは、本書を読んでください。ステップ2の「再登校準備段階評価表」は、「通所状況」「計画作成状況」「学習達成状況」「社会的スキル」「身体的状況」等、10の領域が3段階に分類されており、準備段階の把握や評価にとても活かせると思います。

今日はここまでです。

2014年12月20日土曜日

講演会、大成功!ありがとうございました

記念すべき10回目の学習会が大成功に終わりました。
冬雨の中でしたが、約20名の方に参加していただきました。
講師の小野先生をはじめ、小野先生のご支援を受け、再登校を支援したお母様、特別支援教育コーディネーター及び補助指導員の先生、ありがとうございました。アットホームな雰囲気で、しかもとても充実した学習会になりました。

参加者からの感想も一部、紹介させていただきます。会の様子や参加された方の思いを少しでも伝えられればと思います。


「とても楽しく、勉強になった時間でした。教科指導で使える内容もあり、児童への接し方を見直すことができました。怠学との違いや私自身の判断レベルの低さ等、本当に勉強になり、これから即活用していきたいと思いました。」


「小野先生の講義は、実践に基づいたもので説得力があり、納得させられることが多く、自分の考え方を改めて見直す機会となりました。アセスメントをしっかりと整理し、実態を見極める力なくしては、最終的に保護者や子どもの行動に変化を与えることができない。『10step実践サイト』は、購入して明日からの実践につなげたいです。有意義な会にさんかできたことを改めて感謝致します。」


まだまだありますが、今日はここまでです。残りの感想後日紹介します。



研修ツアーのお申込み

  研修ツアーまであと2週間となりました。参加を希望されている方は、11月23日23時59分までにメールでお申し込みください。 メールアドレス miyakodo24@gmail.com お待ちしております。