アタッチメントという概念は、ボウルビィらによって確立されました。
ボウルビィという人は、1907年にイギリスで生まれました。精神科医及び精神分析家で、いろいろな家庭経験が、子どもの発達に及ぼす影響について関心があり、研究を行いました。
アタッチメントの定義は、「危機的な状況に際して、あるいは潜在的な危機に備えて、特定の対象との近接を求め、またこれを維持しようとする個体の傾性」であると前回書きました。言い換えれば「不安や恐怖という負の(不快な)情動が重要な他者に接近することによって中和化されるか、正の(快の)情動へと変化していくこと」であります。「人と人の情緒的絆」や「愛情関係」のことではありません。誤解を生みやすいので、「愛着」ではなく、ここでは「アタッチメント」を用います。
虐待を受けた子どもの言動を理解するうえで重要な概念に「アタッチメント障がい」があります。「愛着障がい」とも言いますが、上記の理由で、ここでは、「アタッチメント障がい」という言葉を使います。
次号は「アタッチメント障がい」について書きたいと思います。
参考文献及び引用文献
ボウルビイ 「母子関係入門」
小林隆児 遠藤利彦 編『甘え』とアタッチメント
玉井邦夫 「学校現場で役立つ 子ども虐待対応の手引き」
2月の研究会は2月10日(土)16時から18時まで、アオシマコーヒーで行います。お待ちしております。
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2014年11月14日金曜日
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